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魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(後編) ◆MiRaiTlHUI 次第に日が傾き始めて来たこの平原では、未だに因縁の二人が戦いを続けていた。 白銀の鎧を纏ったサガは、余裕の態度を崩す事無く、赤のロッドを敵へと突き付ける。 されど、実際は余裕などでは無かった。如何にキングと言えど、蓄積されたダメージが大きすぎるのだ。 まず、最初に戦った黒の金のクウガとのダメージが未だに尾を引いているのが大きい。 その後で戦った相手は、圧倒的な技量を持った仮面ライダー、ガオウ。 どちらとの戦いも、キングの体力を削るには十分過ぎた。 そして、その上でキングが今、相手にしているのが。 「ンンンガアアアアッ!!」 「チィッ……!」 仮面ライダーキバ・ドッガフォームが振り放ったハンマーの一撃に、堪らずキングは舌を打った。 低い唸りと共に振るわれた紫のハンマーが、遠心力で以て更なる加速を得て、サガへと殺到する。 身を捻って回避をしようとするも、ロッドを構えて飛び込んだ末のカウンターであるが故に、回避もままならない。 結果として、紫の魔鉄槌は、サガの装甲を脇腹から大きく薙ぎ払った。 どごん! と大きな音が響いて、派手な火花と共にサガが吹っ飛ぶ。 地べたを二度三度転がって、それでも起き上がったサガは思考する。 (封印されても尚この俺に盾突くとは、忌々しい魔族共め) ドッガはかつて、キングがこの手で封印したアームドモンスターだ。 ドッガ単体ならばキングの敵ですら無かったが、その命が丸ごと武器となったなら、また話は別だ。 奴の生命は今や、どんな攻撃をも跳ね返し、どんな鉄壁をも打ち砕く魔鉄槌。 それ以上でもそれ以下でもなく、それを使うのは王の鎧たるキバだ。 王の力とアームドモンスターの力が合わされば、サガであろうとこんなにも苦戦を強いられる。 だけれども、そんな現実は認めない。真の王は、こんな所で潰されはしないのだ。 そして王は、ここまで自分をコケにしてくれた紅渡を赦す事だって、もう出来はしない。 「キバ……紅渡ッ……貴様だけは、赦してはおけん!」 その言葉に、キバは答える気すらないらしかった。 返事の代わりに、ゆっくりと歩き出したキバへ、サガはジャコーダーを突き出す。 赤の鞭となったそれは、再びキバへと急迫して、その魔鉄槌へと絡みついた。 このまま身動きを封じてやろうと考えるが、やはりサガでは力不足。 紫のキバが力一杯にハンマーを引けば、キバの元へと手繰り寄せられたのはサガの方であった。 どれだけ馬鹿力なんだと胸中で毒吐きながらも、サガは眼前のキバへと拳を打ち込む。 が、重厚な手甲で覆われたキバの腕によって、サガの拳は容易に阻まれ、逆に拳を叩き込まれ。 圧倒的な破壊力で以て繰り出された一撃は、再びサガを遥か後方へと吹っ飛ばした。 「一気に決めるぜ、渡! ドッガ! バイトォッ!!」 自分を裏切った蝙蝠と、よく似た声が再び響いた。 地べたを殴って無理矢理起き上がったサガは気付く。 自分達二人を取り巻く周囲が、漆黒の闇に包まれている事に。 まだ夕方の筈なのにどうして、なんて間抜けな事を考えはしない。 キバの鎧を持つ者が、その魔皇力を解き放った時、周囲は昼夜関係無く闇に包まれるのだ。 「させるか……!」 なれば、自分も同じ事をしてやればいい。 ウェイクアップを発動し、この身に宿る本物の王の魔皇力を解き放ってやればいいのだ。 姿勢を立て直し、ジャコーダーをベルトのサガークへと、挿入しようとするが。 それよりも早く、どすん! と、響く重厚な音が、サガの耳朶を叩いた。 前方を見遣れば、巨大な満月をバックに、キバが魔鉄槌を垂直に構えていた。 しまった、と思った時には既に遅い。既にサガの身体は、ぴくりとも動かなくなっていた。 「フンンンッ!!!」 ゴゴゴ、とか、ギギギ、とか。 それはそういう、如何にも重厚そうな鉄の音に聞こえた。 サガの前方で、垂直に構えられた魔鉄槌の拳が、ゆっくりと開いてゆく。 それが完全に開き切った時、サガを見詰めて離さなかったのは、一つの瞳だった。 それは、赤くて、大きくて、異様なプレッシャーを放つ、あまりにも異質過ぎる瞳。 瞳から放たれた圧倒的な量の魔皇力が、サガの身体の動きを封じているのだと気付いた時には、もう遅かった。 (拙い……!!) キバが振るう魔鉄槌の動きに合わせて、巨大な魔皇力で出来たハンマーが宙を旋回する。 ファンガイアの王をして圧倒的と言わしめる程の、膨大な魔皇力の量だった。 目視できる程の波動となった魔皇力は、やはりサガに自由を与えはしない。 そして、そんなサガの鎧を押し潰さんと迫るは、巨大な雷の鉄槌。 「やれると……思うなっ!!」 しかし、ここでただ黙ってやられるキングでは無かった。 ぐぐぐ、と身体を動かし、ついにはサガの魔皇力が、キバの魔皇力を上回った。 だけれども、それでも圧倒的な魔皇力に拘束されていたこの身体は、やはり重たい。 黒の金のクウガや、ガオウから刻み付けられた傷が足枷となって、キングの移動を妨げる。 結果として、致命傷を避ける事は出来ても、キバの一撃を完全に回避する事は不可能だった。 「――――――ッ!!?」 今まで感じたことも無い程の、強烈な一撃だった。 雷の鉄槌に薙ぎ払われたサガの身体は、後方の大木に激突して、ずり落ちる。 サガークがベルトから弾かれるようにして離れた事で、サガの鎧は消失した。 宿敵キバの目の前で生身を晒して、しかしキングも余裕の態度は崩さない。 痛む身体に鞭打って、痩せ我慢で以て不敵な笑みを浮かべてみせる。 「紅渡……貴様では絶対にこの俺に勝てないという事を、教えてやる」 デイバッグから取り出したディスカリバーを、キバへと突き付けた。 恐らく奴は知らない。この場では、変身能力を多く残した者が最終的な勝者となるのだ。 変身時間だって限られている以上、既に変身後それなりに時間が経過したキバは不利。 サガであれだけ追い込んだのに他の姿に変身しなかった事を考えると、恐らく別の姿もないのだろう。 ならば、必勝法は、ある。 「まさかこの俺が、人間共が造った鎧を纏う事になるとは思わなかったがな」 きらりと光を反射して煌めくディスカリバーの刀身に、緑のカードデッキを翳した。 刹那、鏡から反射するようにして現れたベルトの形の虚像が、キングの腹部で形を作る。 先程自分が殺した緑の銃撃手を真似れば、これの使い方も大体解るというもの。 緑のカードデッキを、現れたVバックルに装填し、不敵に言い放った。 「変身」 刹那、現れた虚像は幾重にもオーバーラップ。 その身を緑の鎧で覆い隠し、キングは異世界の仮面ライダーへと変身を果たした。 その男、ゾルダ。それこそが、キングが勝利し、奪い取った力の名である。 既に連戦で傷ついた身体ではあるが、変身時間の残り少ないキバを仕留めるには十分だ。 ここにファンガイアの王族による戦いの、第二ラウンドが幕を開けた。 最初に攻撃を仕掛けたのは、ゾルダだった。 手にしたマグナバイザーで以て、紫のキバへと銃撃を仕掛ける。 異世界のライダーの銃は、高速で弾丸を撃ち出し、キバへと迫るが。 その全ては、回避すらしようとしないキバの胸部に当たって、弾けて消えた。 ゾルダの銃弾は、キバの鉄壁の鎧を破るには至らないが、構わず銃撃を続ける。 この広い平原を縦横無尽に駆け回り、あらゆる方向から撃って撃って、撃ちまくる。 キングとしては些か不本意な戦い方ではあるが、キバの変身時間制限を待つのが目的ならば十分だ。 少なくとも、速度では圧倒的に劣る紫のキバは、接近しなければゾルダに攻撃を仕掛ける事は出来ない。 平原を駆け廻りながら銃撃を続けるキングは、不意に一つの事実を思い出した。 (……そういえばあの人間、カードを使っていたな) このデッキの元々の持ち主の戦い方や武器を思い出して、キングはベルトに手を伸ばした。 どうせ勝利は確定しているのだ。今後の戦いの事も考えて、ここで使い方を覚えておくのも悪くはない。 まずは手始めに、目の前のキバをもっと苦しめる事が出来る戦術は無いかと思考し、カードを引く。 引いたカードに描かれていた図柄は、巨大なランチャーの絵だった。 ――SHOOT VENT―― 電子音声が鳴り響いて、空から降って来たのは果たして、図柄通りの大砲だった。 今まではまともなダメージを与えられぬ銃撃ばかりであったが、これならばどうか。 さしもの鎧のキバと言えど、巨大な砲弾の一撃を受けては堪ったものではあるまい。 真正面からギガランチャーを向け、キバに照準を合わせ、砲弾を発射する。 びりびりと身体に伝わる振動は、それだけ砲弾の威力を物語っていた。 「フンンンッ!!」 キバは自分目掛けて飛んでくる砲弾に向けて、紫の魔鉄槌を構え直した。 鋼の魔鉄槌で以て、砲弾を受け切るつもりだ。それだけその防御力には自信があるのだろう。 ならばとばかりに、ゾルダはギガランチャーの照準を再び合わせ、狙い過たずもう一度発射。 二撃目に発射された砲弾に続けて、更に追撃のもう一撃。 当然、いかな鉄壁の鎧と言えど、三連弾の砲撃を真正面から受け止めきれる筈も無く。 「ガアアアアアッ!?」 この耳朶を打つのは、キバの絶叫。 一撃目はキバが構えた魔鉄槌の守りを崩した。 二撃目はキバの胸部の鎧に炸裂して、その身体を後方へと吹っ飛ばした。 三撃目は吹っ飛ぶキバの鎧をさらに抉って、馬鹿でかい爆発で以てキバを襲った。 巻き起こった爆煙は爆風によって煽られて、キバの周囲の何もかもをも覆い隠す。 やったか、と思うが、しかしキバの亡骸はまだ見て居ないのだから、油断は出来ない。 この手で敵を討ち取る勝利の感覚が掴めぬ銃器は、やはり扱い慣れぬものだと思う。 なれば今はまず、爆煙が晴れるのを待つのが、王たる者に相応しい威厳と余裕だ。 一秒、二秒、と沈黙が続いて、それを引き裂き現れたのは――緑色のキバだった。 「またマーマン族の生き残りの力か……小賢しい!」 「緑の銃には緑の銃だ! まだまだ勝負はこれからだぜ!」 忌々しいキバット族が、キバの腹部で上機嫌そうに叫んだ。 ゾルダは構わずギガランチャーを向けるが、最早キバの速度は先程までの比では無い。 ちょこまかと動き回るキバを相手に、ギガランチャーは少々大振り過ぎた。 それでも構わず数発の砲弾を放つが、俊敏に走り回るキバには当たらない。 ええいと唸ったゾルダはギガランチャーを放り出して、マグナバイザーを構え直した。 平原を駆ける二人が構えた緑の銃口が、互いに互いへと照準を合わせる。 タイミングはほぼ同時。お互いに跳び退りながら、引き金を引いた。 ゾルダの弾丸と、バッシャーの弾丸が空中で交差して、互いへと急迫する。 後は弾に当たらぬ様に、お互い縦横無尽に走り回り、距離を取り合い、時には木々を盾にして、激しく撃ち合う。 銃撃戦には慣れぬとはいえ、キングの戦闘センスはズバ抜けている。ゾルダの使い方も、すぐに飲み込めた。 されど、相手もさるものだ。バッシャーの魂を宿したキバは、言わば銃撃戦だけに特化した姿。 言い方を変えれば、ゾルダは相手の土俵の上に上がってしまったようなものだった。 「はぁっ!!」 キバが何処か軽妙な声色で叫びながら、銃弾の嵐を見舞った。 受けて成るものかと、相対的に走り込みながら、ゾルダも銃弾を発射する。 されど、キバはすぐに木々の影へと隠れ、ゾルダの弾丸は全て木々で以て防がれた。 小賢しい。そう感じたゾルダは、二枚目のカードをマグナバイザーへと装填する。 ――SHOOT VENT―― 電子音声に次いで、具現化したのは巨大な二門の大砲だった。 ギガキャノンと呼ばれるそれは、ゾルダの背部と接続され、両肩に背負われる。 間髪入れずに、両肩の砲門は圧縮されたエネルギーの砲弾を発射した。 轟音と共に放たれたそれは、キバが隠れた木々を丸ごと吹き飛ばした。 爆風で木の破片が舞い上げられて、キバの身体も一緒に宙を舞うのが見える。 これは面白いとばかりに、ゾルダは続けて砲門からの射撃を続けた。 「うわぁああああああああああっ!!」 キバの絶叫が響いて、周囲を爆風と爆炎が覆った。 一面緑しかなかった平原は、今となっては過去の話。 火の海となった戦場で、ゾルダは勝利を確信した。 しかし。 「バッシャー、バイトッ!」 「――何!?」 爆炎と爆煙で覆い隠された視界から響いたのは、忌々しい絶叫だった。 気付いた時には、再び周囲の夕焼けは夜の闇に掻き消されて居て、キングは歯噛みする。 平原を燃やし尽くさんと拡がって居た炎は、足場を飲み尽くそうと拡がる水に掻き消された。 素晴らしい暁も、心を焦がす炎も、何もかもがバッシャーのアクアフィールドに飲み込まれていた。 相手はここで勝負に出るつもりだ。ならば、王はそれを正面から叩き潰すのみ。 ――FINAL VENT―― 電子音が響いて、地中から、というよりも水面から、鋼の巨人が現れた。 身の丈はライダーをも超える巨大さを誇る、グリーンメタリックのモンスター。 ゾルダの真正面で佇むキバがマグナムを掲げれば、周囲の水が巻き上げられて、巨大な竜巻となっていた。 対抗するように、ゾルダも眼前で待機する緑のモンスターの背中の穴に、マグナバイザーを挿入する。 そうすれば、ゾルダの指示に応える様に、マグナギガの全身の砲門が一斉に開いた。 ミサイルやガトリング、レーザーにビーム。数え切れない程の重火器が、キバに照準を定めていた。 一方で、キバが構える銃口で渦を巻くのは、巻き上げられた膨大な魔皇力。 今にも弾けそうなエネルギーの塊を、後は発射するだけだった。 「終わりだ、キバ――!」 仮面の下でそう嘲笑して、引き金を引く。 緑のキバが引き金を引いたのも、ほぼ同じタイミングだったのだろう。 マグナギガの全身に備えられた圧倒的な量の重火器が、全てを破壊せんと火を放った。 数え切れないミサイルが轟音を伴って殺到する。収束されたビームが閃光となって押し寄せる。 視界さえも覆い尽くす兵器の弾幕は、次の瞬間には巨大な魔皇力の塊とぶつかり合って―― ――大爆発を巻き起こした。 轟音は爆音となってゾルダの耳を劈き、爆風は颶風となってこの身体を煽る。 圧倒的なまでの破壊の余波に、この身体全てを持っていかれそうな錯覚にすら陥ってしまう。 アクアフィールドを蒸発させてあまりある爆炎は、容赦なくゾルダの装甲を嬲って、その威力の絶大さを誇示する様だった。 やはり莫大な数の重火器と、凝縮された魔皇力の衝突によって生じる爪痕は凄まじい。 これにはさしものキバも一たまりもあるまい、と思うが、それでもゾルダは前へ踏み出した。 油断など出来はしない。状況はどうなったのだと周囲を見遣るが、そこにキバの姿は無かった。 この荒野に居るのはゾルダ只一人で、何処を見渡したって、そこには誰の姿もなく。 流石にこれは勝ったか、と思うが……否、そんな筈はない。 そう。姿は無くとも、死んでいる訳がないのだ。 何故なら……何故なら――! 「何故だっ……何故月が消えん!?」 ゾルダの周囲を覆い尽くすのは、闇。 何処までも拡がる、圧倒的な闇と、空気に解けて充満した魔皇力。 そして、漆黒の夜空で怪しい輝きを放ち続けるそれは、有り得ない程に巨大な魔性の月。 これは見まごう事なく、キバが生成する、ウェイクアップによる夜の空間だ。 しかし、奴が死んだのであれば、それも一緒になって消失する筈。 何故だ、どういう事なんだ。狼狽するキングの耳朶を叩いたのは。 「ウェイクッ!! アァァァァァァァップ!!!」 「何ィッ!?」 空からの絶叫だった。力の限りの絶叫だった。 見上げれば、月の輝きに浮かぶシルエットは、たった一人の宿敵、キバ。 真っ赤な鎧を身に纏い、圧倒的な魔皇力を内包した地獄への門を開放したその姿は、例えるならば処刑人。 キバの右脚で唸りを上げる三つの魔王石の輝きは、キングを死へと誘うギロチンの輝きに見えた。 だが、キングとてここで終わろう筈もない。こんな所で、むざむざやられるつもりもない。 一縷の望みを駆けてバイザーに装填したカードは、身を護る為の鉄壁の盾。 ――GUARD VENT―― マグナギガの胸部を模した巨大な盾だった。 どんな攻撃をも防ぎ切らんばかりの重厚さを持った盾を、ゾルダは眼前で構え、待ち受ける。 刹那、ヘルズゲートを解放したキバの必殺の蹴りは、マグナギガの盾へと叩き込まれていた。 全身吹っ飛ばされそうな、暴力的なまでの衝撃を受けて、それでも倒れぬキングの意地。 ダークネスムーンブレイクは、ゾルダの盾を大きく凹ませて、そのままゾルダの身体を蹴り飛ばした。 それでも踏ん張ろうとするゾルダの脚は、ずざざざざ、と音を立てて、平原に二本の傷跡を抉る。 ようやく遥か後方の大木へとゾルダの身体は激突して――。 どん! と大きな音が響いて、ゾルダの背中へと突き抜けたキバの紋章が、大木を木端微塵に破壊した。 だけれども、それでも――! 「まだだッ……! まだ、終わらん!」 王の心を折る事は、誰にも出来ぬ。 そうだ。王が負けて良い訳が無いのだ。 こんな紛い物のキバに負ける王など、ファンガイアの面汚しもいい所だ。 巨大な盾を投げ捨てて、悲鳴を上げる身体に鞭を打って、それでもマグナバイザーを構える。 この至近距離からキバを撃ち抜いて、奴のライフエナジーを吸い尽くしてくれる。 そう考えて、銃口を突き付けたゾルダが見たのは。 ――ENGINE MAXIMUM DRIVE―― 「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」 「なっ――」 キバが振り上げた刃は、眩い程の赤の輝きを放っていた。 それはさながら、王の命を焼き尽くさんと迫る灼熱の炎のようで。 しかし、最早これ以上対抗し得る手段も持たず。 持って居たとしても、間に合う筈もなく。 「グァァアアアアアアアアアアッ!!!」 キバが振り抜いた刃は、ゾルダの装甲を灼熱の輝きで以て両断した。 圧倒的なまでの力の奔流がこの身体に叩き込まれて、ゾルダは堪らず地に膝をつく。 眼前に浮かび上がった巨大な輝きは、アルファベットの「A」にも見えた。 が、それが見えたからといってどうという訳でもなく。 一拍ののち、ゾルダの装甲は遂に限界を越え、爆発四散した。 ◆ 紅渡の瞳は、何を考えているのかも読めぬ、無感動な色をしていた。 目の前で緑のライダーの鎧を失って、それでも立ち上がろうとするキングを、冷静に俯瞰する。 この会場に仕掛けられた変身制限によって、キバの鎧が消失したのは、緑のライダーを撃破した直後だった。 これだけの連続攻撃を受けてまだ生きて居られると言う事実に些か驚きはするが、もう終わりだ。 確かに自分にもこれ以上の変身能力は無いが、キングにだってもう力は残されてはいない。 ――少なくとも、紅渡は“勝手に”そう思い込んでいた。 「ハ、ハハ……ハハハ! 紅、渡……貴様の、負けだ!」 「何……?」 不敵な笑みを浮かべるキングに、渡は僅かに焦慮する。 こんなに全身をボロボロに痛めつけられて、それでもこれだけの自信を持つ理由はなんだ。 と、そこまで考えて、ようやく渡は気が付いた。 こいつがファンガイアの王だとするなら。 「まだ……ファンガイアの姿に、変身出来る……!?」 「そういう、事だ……!」 眼前のキングの姿が、見る見るうちに変貌してゆく。 強力な魔皇力がキングの身体を包みこんで、その姿は見た事もない凶悪な姿へと。 蝙蝠を連想させるその姿から放たれる威圧感は、明らかに今まで戦って来た敵とは違う。 一言で言うなら、異質。凶悪過ぎるその波動は、渡の肌を粟立てる様だった。 次いで命の危険を感じた時には、もう遅い。 渡の真上には、ライフエナジーを吸い尽くす為の吸命牙が二つ、浮かび上がっていた。 吸命牙は、渡の命を吸収しようと、この身へと急迫する――が。 「んなろっ、させるか! 渡ぅぅっ!!」 「キバット――!?」 言い終える前に、キバットが渡の襟に噛み付いて、その身を後方へと引き摺り出した。 渡が居なくなった場所へ吸命牙は殺到し、何もない宙を裂いたそれは、地べたに突き当たる。 程なくして消失した吸命牙を見た渡は、肝を冷やす思いで、瞠目に目を見開いた。 このままでは、殺される。変身も出来ない脆弱な命など、すぐに吸い尽くされてしまう。 だけれども、別にそれでも構わないか、と諦める自分が居るのも確かだった。 これは、ファンガイア王族の血を引いていながら、同族を殺し続けて来た自分に相応しい、裁きだと思う。 どうせこの世界は、どうしようもなく辛い事しかない、最低な世界なのだ。 加賀美も、冴子も、こんな自分の為に死んでしまったのだ。 そして、渡が唯一愛した彼女も居ない今――。 「深央さん……」 しかし、そこまで考えた所で、もう一度渡の中で何かが燻るのを感じた。 キバットが、口煩く何事かをまくし立てる。キングが、何事かを言いながら迫って来る。 だけど、もうそんな雑音は一片たりとも、この頭には入っては来なかった。 そうだ。思い出せ。自分は何の為に戦うと決めたのかを。 何の為に、冴子や加賀美を犠牲にしたのかを。 深央さんが居ない世界に生きる価値は確かに無いが、それでもやらねばならぬ事はある。 自分の存在が周りを不幸にするのなら、何としてでも自分が生き残って、自分自身の存在を消さねばならない。 そして、その為には、他の世界の参加者を皆殺しにしなければならないのでは無かったのか。 見失いかけた目的を、再度心中で燃やして、渡の瞳は再び強い輝きを放つ。 それは、冴子を失った時の、冷酷な輝きであった。 「そうだ……僕は、生きる!」 生きなければ、ならない。 この悲願を成就する為には、生きて、戦わねばならない。 自分一人が悪に堕ちる事で、全てを救う事が出来るのならば、喜んで悪にもなろう。 自分一人が殺戮者になる事で、この世界の悪意を払拭出来るのであれば、喜んで業を引き受けよう。 そうだ。それが今、たった一つ、紅渡を突き動かす、命の動力源なのだ。 渡の胸にはまだ、戦うだけの決意が熱く燃え滾っているのだ。 ならば、やらねばならない。ここで死んでは何にもならない。 次の瞬間、何を思ったか、渡は高らかに絶叫していた。 「サガークッ!!!」 瞳は強く輝かせて、声は冷たく響かせて。 王にのみ傅く僕(しもべ)の名を、高らかに呼ぶ。 そうすれば、キングのデイバッグから、円盤型の小さな下僕が飛び出した。 考えてやった訳ではない。こうすればサガークが現れると、渡は直感で感じたのだ。 「貴様……まさか!」 「お、おい渡ぅ、何言ってんだよ!?」 「来い、サガークッ!!!」 二人の言葉など意にも介さず、渡はサガークを睨み付け、再度叫ぶ。 サガークは困惑した様子で宙をふよふよと浮かび、渡とキングを眇め見た。 運命の鎧サガは、王の為に造られし、王の為の鎧だと聞く。 それがキバの試作型とも呼べる存在であるなら、渡にだって使える筈だ。 何せ、この身に流れているのは、どんなファンガイアをも黙らせる、冷酷無比な王族の血。 渡は王族でしか使えぬ黄金のキバを使いこなし、更には一族の王たるキングをもここまで追い詰めたのだ。 資格は十分。覚悟も十分。なればこそ、この紅渡を「王」と認めずして何とする。 渡の瞳からは、最早数時間前までの不甲斐なさなどは消え去っていた。 たった一つの目的の為だけに輝くその眼光は、キングにも似た冷酷な輝きを放っていて。 「聞こえないのかサガーク! 新たな王の命令だ!」 「貴様……言うに事欠いて、この俺の前で新たな王だと!?」 憤慨するキング。 狼狽するサガーク。 この場に居るのはまさしく二人のキングだった。 とはいっても、片方は変身制限で、最早変身すら出来ない。 もう片方は、今でこそ生身であるが、その瞳に宿った意思は本物。 それも、紅渡はサガを装着したキングを、それよりも劣るキバで撃破せしめたのだ。 なれば、サガークはどちらの王の方が自分の鎧を有効に使ってくれるかを考えて――。 「サガークッ!!!」 再三の渡の呼び声に、ついにサガークは動いた。 円盤の身体を高速回転させ、キングのデイバッグを突き破る。 飛散した幾つかの中身の内、かつて太牙が用いた専用武器を、渡の方向へと弾き飛ばした。 ぱしっ、と音を立ててジャコーダーを掴み取った渡は、不敵にキングを睨み付ける。 渡の腰に張り付いたサガークは、黒いベルトで以て、渡の胴へと装着された。 「馬鹿なっ……!? 貴様まで、この俺を裏切ると云うのか!?」 キングの声は震えていた。 表情はわからないけれど、その事実がキングにとっては赦せぬ事だという事だけは解る。 だが、なればこそだ。赦して貰う必要などないし、渡は望んで赦されぬ存在になろうとも思う。 ここまで来れば、もう後に引き返す道など、何処を探したってありはしないのだ。 故にこそ――渡はジャコーダーをサガークに突き刺して、無感動に告げた。 「変身」 瞬間、渡の身体を覆ったのは、白銀の鎧。 揺るがぬ王(キング)の意思を持った者にのみ許される、運命の鎧。 次第に闇に落ちて行くこの会場の中でも、サガの蒼い複眼は不気味に煌めいていた。 圧倒的な威圧感。闇の色を集め纏う、オーラの如き闇の波動。 紅渡による「サガへの変身」が意味する事とは、つまり。 「今、この瞬間から――この僕がキングだ!」 王の威厳を以て叫ばれたその言葉に、キバットとキングは狼狽する。 しかしそれもほんの一瞬で、キングはすぐに身を震わせて叫んだ。 「ふざけるなよ、貴様……俺をナメるのもいい加減にしろ!」 「ファンガイアの歴史は力の歴史。文句があるなら掛かって来い」 サガの仮面を通じて淡々と告げられたその声に、遂にキングは感極まったらしい。 怒りに震える両腕を突き出して、魔皇力で出来たエネルギーの塊をサガへと放った。 相対するサガは、息一つ吐き出して、ジャコーダービュートを振るう。 びゅん、と音を立ててしなったそれは、二つの光弾を真っ二つに引き裂いて、サガの後方へ飛んで行った。 着弾したエネルギー弾は後方で派手な爆音を上げるが、サガはそれすらも追い風に、バットファンガイアの懐へと飛び込んで。 「ハァッ!!」 怒涛の勢いで突き出されるは、ジャコーダーロッドによる乱舞。 連戦で疲弊したファンガイアの王では読み切れぬ速度で、赤の剣を振るった。 魔皇力で彩られた剣が、バットファンガイアの赤い身体を突いて、裂いて、刺しまくる。 最早後退するしか出来ぬバットファンガイアであるが、それでもお構いなしだった。 暫くサガによる蹂躙が続いて、サガは渾身の力を込めて、ジャコーダーを正面へ突き出す。 「グァァ!?」 後方へと吹っ飛んだバットファンガイアの王へ、サガは更なる猛威を振るった。 再び赤の鞭となったジャコーダーで、かつての王の身体を、叩いて叩いて、叩きまくる。 今までの鬱憤すら込められているのではと思う程の勢いで、赤い鞭は乾いた音と火花の音を響かせて。 終いにはその鞭でバットファンガイアの身体を絡め取って、遥か後方の岩場へと叩き付けてやった。 次いでサガは、流れる様な動きで、ジャコーダーの柄をサガークへと突き刺して、悠々とのたまう。 「王の判決を言い渡す」 ジャコーダービュートに、再び絶大なる魔皇力が注ぎ込まれた。 それは不気味な音色を掻き鳴らして、周囲を再び漆黒の闇で包んで行く。 サガは最早立って居るのもやっと、という様子で立ち上がるバットファンガイアに、ジャコーダーを突き付けた。 ちゃき、と音を立てて、ジャコーダーの切先がバットファンガイアに向けられるのを確認して、サガは言い放つ。 「死だ」 それは、兄である登太牙の言葉。 先程は目の前の元キングも告げた言葉である。 処刑人となったサガは、魔皇力迸るジャコーダーを力の限り突き出した。 それは赤い輝きを振り撒きながら、バットファンガイアの胸部を確かに貫いて見せる。 手応えアリだ。これで本当に、渡は戻っては来れぬ場所まで行ってしまうのだ。 上空に現れた巨大なキバの紋章はまるで、そんな渡を受け入れる魔への扉の様だった。 サガは構わず高らかに跳び上がり、紋章へと突入。 ジャコーダービュートを紋章に通して、サガはすぐに着地した。 赤き閃光に吊るし上げられたバットファンガイアが、それでも苦しげに呻くが、容赦はしない。 まるで見せしめの様に敵を吊るし上げたサガは、魔皇力の漲るジャコーダーを、つい、となぞった。 サガの持てる最大の必殺技を受けたバットファンガイアの身体は、ステンドグラスの如く、美しく煌めいた。 ◆ 最早戦う力などは残って居ない。 全身は軋んで、積み重なった疲労が今にも王の身体を突き破りそうだった。 だけれども、それでも。王の威厳だけを拠り所に、キングは再び立ち上がった。 例え変身能力も失っても、例え戦う力を失っても……これは最早、理屈では無いのだ。 ファンガイアの英雄たるこのキングが、ただやられるだけであって言い訳がないではないか。 そうだ。自分は王として、宿敵キバに最後の最後まで抗って見せねばならないのだ。 倒れる時は、前のめりだ。でなければ、幾千幾万の同胞達に、示しが付かない。 それは例えちっぽけでも、本物の王であるが故の誇り(プライド)だった。 それこそが、民に英雄と崇められた男の、誰にも譲れぬ誉れであった。 「紅……渡ッ――」 眼前のサガへと、震える腕を突き出すが、それはもう誰にも届かない。 紅渡にも、自分を裏切ったサガにも。愛する妻や、部下たちへさえも。 敵対する種族を全て根絶やしにし、ファンガイアの誇りに生きた王は、ここで潰える。 視界すらも朦朧としてゆく中で、キングの脳裏に蘇るのは、走馬灯の如き記憶の奔流。 今キングは、忘れていた記憶も、忌々しい記憶も、全てを思い出した。 嗚呼。これで、死ぬのは三度目になるのか、と思う。 一度目は、愛する妻を奪い、闇のキバすらも奪った紅音也と、その息子、紅渡に。 二度目は、忌々しい混血・紅渡と、この王が全てを託した筈の純潔の息子・太牙によって。 そして三度目は、またしても、赦されぬ存在である紅渡と、王を裏切ったサガによって、だ。 紅の血を引く者は、ここまで王を愚弄するのか。 愛する妻も、信じた息子も、闇のキバも、運命のサガも、何もかもが自分を見捨てる。 なれば自分は、一体何の為に戦って来たのだ。何の為に、英雄と謳われたのだ。 今まで必死にファンガイアの繁栄の為、働き続けて来た自分は何だったのだ。 やり切れぬ思いを抱え、それでもキングは、眼前の新たな王に問うた。 「貴様は……王の力で、何を成す」 「世界を救う為、他の全ての世界を破壊する」 「ハ、ハハ……ハハハハハ――」 最早乾いた笑いしか生まれはしなかった。 なるほど確かに、こいつが纏うオーラは、見まごう事なき王の風格だった。 このファンガイアの王と同じ目的を以て、全ての世界を破壊しようと言うのだ。 確かに忌々しい宿敵ではあったが、終わってみれば、紅渡も底知れぬ闇を抱えた男ではないか。 なればこそ、不本意ではあるが、世界を救う英雄は、世界を救う王の役目は、彼に任せてもいいのかも知れない。 「ならば……貴様に、キングとして、命令する」 「はい」 「俺達の、世界を……ファンガイアの世を、その力で、救って見せろ!」 キングの命令に、サガは、小さく頷いた。 もう、声を出す事すらも苦痛に感じられる。 されど、これだけは成さねばならない。王の力を持つ者として。 我が世界に生きる、数多のファンガイアの民の未来を守り抜く為に。 王は最後の最後で、忌々しい宿敵を認め、その身体をステンドグラスへと変えて行く。 嗚呼、喜ぶがいい。悔しいが、どうやら紅渡が希った力を、王自らが認めてやらねばならぬらしい。 故にこそ、最期の瞬間だけは、何としてでも王としての威厳と風格を保たねばならぬ。 王を名乗るに足る器を持ったこの男に、散りゆく王自らが宣言しなければならぬ。 本来ならば出来る筈もない「襲名の儀」を、この王の最期の仕事とするのだ。 それだけが、今のキングに残された、たった一つの……そして、最期の拠り所。 「新たな王は、貴様だ……紅、渡――!」 腹の底から、重く、鋭い声を響かせて。 英雄キングは、硝子の欠片となって砕け散った。 ◆ 心の中は、不思議とからっぽだった。 最期の瞬間まで、王の誇りを貫いて散った彼を、渡は立派な男だったと思う。 渡はファンガイアの王を名乗る彼の事を知らないが、それでも彼は、本物の王だった。 何を考えていたのかだって、今となってはもう誰にもわからないけれど。 彼が、王の配下の民を救おうとしていたその気持ちは、本物だった筈だ。 だから渡は、彼の最期の瞬間で、許せぬ筈の彼に対してさえも敬いを見せた。 そして暁に散りゆくキングの表情は、何処か満足げだったとも思う。 「貴方の意志は、この僕が継ぎます」 ステンドグラスの破片を一つ手にとって、渡は祈る様に告げた。 ファンガイアの世界の為だけに戦え、というのは無理かもしれないけれど。 せめて世界を救う事くらいは、新たな王として、やってみせようと思う。 自ら世界の悪意となって、世界を救った後で、自分を消せばいいのだ。 そうして、ファンガイアと人間が共存出来る世界を創って―― 後は、太牙兄さんがきっと、全て上手くやってくれると思う。 「おい、渡、冗談だろ!? 冗談だって言ってくれよぉ!」 「ごめんキバット。僕はやらなくちゃいけないから」 それだけ言って、渡はキバットをむんずと掴んで、デイバッグに叩き込んだ。 ずっと一緒に戦ってくれたキバットにも、申し訳ないと思う。 だけれど、不器用な渡はこうするしかもう、思い付かなかった。 先代キングが持って居た武器を回収して、渡は思考する。 確か、牙王とか言う奴がまだ、この近くで戦っていた筈だと。 全ての世界を破壊するのなら、手始めに新たな王に盾突いた奴から仕留めてやるべきだと思う。 しかし、戦力は―― 「これは」 キングが所持していたデイバッグを漁って、一本のベルトを見付けた。 緑と黒でデザインされたそれは、腰に当たるホルダーに、数枚のカードを忍ばせたデザインだった。 ゼロノスベルトと呼ばれるそれは、変身する度に、変身者に関する記憶を消すベルトである。 だけど、今この瞬間から世界の悪意となって、他の全てを滅ぼそうとする渡には、調度いいのかも知れない。 どうせ最終的に世界と愛する人を救った後には、自分の存在を消滅させるつもりなのだから。 紅渡は、瞳の色を無感動な黒色で塗りつぶして、歩を進める。 新たな王の使命を得た渡に、もう迷いは無かった。 【1日目 夕方】 【C-6 平原】 【紅渡@仮面ライダーキバ】 【時間軸】第43話終了後 【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、返り血、キバ及びサガに二時間変身不可 【装備】サガーク+ジャコーダー@仮面ライダーキバ、キバットバットⅢ世@仮面ライダーキバ、 エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW、ゼロノスベルト+ゼロノスカード@仮面ライダー電王 ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎、ディスカリバー@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×3、GX-05 ケルベロス(弾丸未装填)@仮面ライダーアギト、 バッシャーマグナム@仮面ライダーキバ、ドッガハンマー@仮面ライダーキバ、北岡の不明支給品(0~2) 【思考・状況】 基本行動方針:王として、自らの世界を救う為に戦う。 1:手始めに牙王とか言う奴から倒すか……? 2:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。 3:加賀美の死への強いトラウマ。 【備考】 ※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。 ※キングの最後の支給品はゼロノスベルト+ゼロノスカードでした。 ※ゼロノスカードが何枚付属しているかは、後続の書き手さんにお任せします。 誰も居なくなった平原で、むくりと起き上がる影が一つ。 夕闇に落ちた平原は、見渡してもあまり視界が良いとは言えなかった。 それは起きたばかりで視界が今だ霞んで居るから、というのも理由としてはあるのだろう。 園咲冴子は、痛む身体を起こして、周囲を見渡し、呟いた。 「どうやら、あの子がやってくれたようね」 絶体絶命と言える状況であったが、園咲冴子は一つの賭けに出た。 それは、端的に言うならば「死んだフリ」と呼ばれる、至って簡単な手段。 されど、あの状況で紅渡は本当に園咲冴子が死んだのか、なんて確認をするとは思えなかった。 仮にされたとしても、命からがら生きていたと言えば、あの甘ちゃんはきっと安心した事だろう。 ともあれ、園咲冴子は見事に紅渡のスイッチを押すきっかけとなったのだった。 「さて、どうしようかしらね」 歩き出そうとするが、やはり身体は重たい。 それこそ、今すぐにでも再び倒れ伏してしまいそうな程。 どうやら、一般人のキバへの変身というのは、やはりそれなりに疲労するらしかった。 それが元々怪我人の冴子ともなれば、尚更だ。 こんな状況で、殺し合いに乗った誰かに会うのは非常に拙い。 タブードーパントに変身すれば、怪我をした脚は使わないのでまだ応戦は出来るだろうが。 それでも無理は禁物だし、今は被害者側を演じた方が、殺し合いに反対する集団には上手く溶け込めるとも思う。 その事についても、今後の身の振り方をじっくり考えねばならない。 冴子は重たい身体を引き摺って、一先ずはホテルに向かおうと歩き出した。 【1日目 夕方】 【C-6 平原】 【園咲冴子@仮面ライダーW】 【時間軸】第16話終了後 【状態】左の太ももに刺し傷(応急処置済)、ダメージ(小)、疲労(極大) キバに一時間四十分変身不能 【装備】ガイアメモリ(タブー)+ガイアドライバー@仮面ライダーW、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 【道具】支給品一式×2、加賀美の支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:最後まで生き残り、元の世界に帰還する 1:一先ずはホテルで休みながら今後の事を考えたい 2:もしも殺し合いに否定的な集団を見付ければ、被害者のフリをして取り入る。 3:同じ世界の参加者に会った場合、価値がある者なら利用する。 【備考】 ※照井と井坂を知らない時期からの参戦です。 ※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。 【キング@仮面ライダーキバ 死亡確認】 残り42人 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 投下順 066 暁に起つ(前編) 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 時系列順 066 暁に起つ(前編) 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 紅渡 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 園咲冴子 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 牙王 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) キング GAME OVER 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 志村純一 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 天美あきら 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 野上良太郎 067 第二楽章♪次のステージへ 065 魔皇新生♪ルーツ・オブ・ザ・キング(中編) 村上峡児 067 第二楽章♪次のステージへ
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グラエナ No.262 タイプ:あく 特性:いかく:戦闘登場時相手の攻撃を一段階下げる はやあし:状態異常ですばやさ1.5倍。麻痺によるすばやさダウン打ち消し 入手可能ソフト:ルビー/サファイア/エメラルド/XD/ダイヤモンド/プラチナ 悪単色仲間 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 Total グラエナ 70 90 70 60 60 70 420 アブソル 65 130 60 75 60 75 465 ブラッキー 95 65 110 60 130 65 525 ダークライ 70 90 90 135 90 125 600 レパルダス 64 88 50 88 50 106 446 ゾロアーク 60 105 60 120 60 105 510 悪犬仲間 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 Total グラエナ 70 90 70 60 60 70 420 ヘルガー 75 90 50 110 80 95 500 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) かくとう/むし いまひとつ(1/2) ゴースト/あく いまひとつ(1/4) --- こうかなし エスパー 最近何故かヘルガーと対になっているポケモン。 DPではどっかの道路のポケトレでグラエナとヘルガーがそれぞれ限定で登場。 BWでは大量発生で進化前のポチエナとデルビルが対で出る。 共通点は四足歩行と黒いところぐらいだが… ↑GBA時代の対はマッスグマっぽかったが… だが、こいつヘルガーに防御と攻撃以外全能力負けてるし攻撃はヘルガーと同じ。 水や地面や岩が弱点じゃないところがポイントか? ↑XYではライボルトがヘルガーの対になってしまいました。こいつの立場は・・ ↑序盤悪という立場が完全に一緒なレパルダスと対に 猫と犬(?)という対なので非常にあってる ぶしゃー!ぶふおー! ↑これを知らない人ってかなり多いと思うRSのえんとつ山のマグマ団アクア団のポチエナの鳴き声 ↑マグマ団やアクア団が「ほのお(みず)をぶっかけてやれー!」とか言ってるから単にドンメルとキバニアのグラフィックを用意してなくてオダマキ博士追いかけてたポチエナ流用しただけだと思われる。 ちゃんとポケモンごとのグラフィック用意されはじめたのなんてDPからだしなぁ…。 ↑ポチエナは一応BWから焼き尽くすを使えるようになったので後は水技だな RSリメがあればどうなるかな 元祖かみつきポケモン・・・なの? ↑「神」で「ツキ」があるポケモン……ごめん ↑新世界の神のことかー! ↑夜月 神(やづき ゴッド)……ごめん言ってみたかっただけ ステータスが低すぎる。 「いかく」と「ふいうち」でがんがれ。 ↑こいつはタイプこそ違うが、ラッタやオオタチやマッスグマやビーダルと同じ序盤のお供ポジションだから ↑つまり、この子はBWのグラエナポジだったのか ↑↑↑耐久低いのはともかく、この外見で素早さが70しかないってのが悲しい。90くらいはありそうに見えるんだけどなぁ… ↑↑↑↑↑見た目がかっこよければステータスなんて関係ないのだっ!! なおレベルアップでどろぼうを覚えるのはコイツだけ。 ↑ハスブレロはどうなの? ↑悪タイプでレベルアップでどろぼうを覚えるのはコイツだけといいたかったんだと思う。実際は知らん ↑ちょwwwダーテング自重wwww ↑↑↑↑カクレオン「・・・」 それと、ハスブレロはどろぼうを覚えない希ガス ↑GBAでは覚えるみたいよ ↑↑ノレンパ3世を知らん子がいるとは・・・俺も年をとったのだろうか。 プラチナでヘルガー不意打ち習得により絶滅危機に いかくしか取り柄がなくなってしまった…カワイソス ↑本当に見ない…が、ヘルガーが不意討ち覚える前から既にいなかった気がするのはry はやあしも一応麻痺の素早さダウン無しだから、特性で見れば使ってもらえるさ! ちなみにポケモンXDでは序盤から 「どくどくのキバ」を覚えたポチエナをスナッチ出来るため、 ミラーボのハスブレロ&ルンパッパキラーとして最後まで活躍出来るかもしれない…。 アブソルじゃなくてこいつがのろいを覚えられればのろしっぺ型でけっこう戦えたんじゃないか。 いかくあるから耐久に振れば物理には強いし、攻撃技もブラッキーより豊富なんだけどな。 グラエナ使い今まで見たこと無い。本当に誰も使ってなかったりしないよな?な? ↑俺も使う、ABSvの早足毒毒球。だから安心しろ。 ↑↑元全一が真顔でグラエナ使ってたぞ ↑↑俺も早足型使ってる コイツの耐久と素早さでの威嚇よりもよっぽど使いやすい しかし自分以外では出会ったことがない・・・ラブカスのほうが見るという ↑×4ランダム戦でブラッキー,ポリゴンZ,ツボツボ相手に3タテ決めてくれた日からずっと相棒です 一番↑俺は襷カウンターで使ってる。別にこいつでやる必要はないんだけど好きだから仕方ないよね。 この半端な攻撃で4倍狙うくらいならカウンターのほうが断然強力。最後はあくび退場で十分働く。 こいつ先取りといい、状態異常になると有益になる特性といい。 教え技でいかりのまえば習得の可能性といい。なんだかラッタに似てきたな。 ↑ラッタの前歯がニョキッと生えたグラエナ想像しちまったじゃないかwww 狼+威嚇+早足で椛しか出てこないのは俺だけか。 しかし型を作ろうにもセリフもスペカもないしそもそも見えn(ry ↑俺もそう思ったんだが作れないし見た目ガーディのが椛だしで挫折した 余談だが公式イラストとドット絵で鼻の色が違う。 ポチエナの夢特性はびびり 子供のころはお化けやむしや仲間にびびる臆病者で大人になると相手を倒すたびに調子に乗っていく。なんか可愛いです 夢特性はじしんかじょう。 ワルビアルの特性はいかく、じしんかじょう。 ズルズキンの特性はじしんかじょう(とだっぴ)、夢特性がいかく。 …これは酷い。 さらに言えばいかく持ちのギャラドス、ボーマンダの夢特性もじしんかじょうである。 ↑威嚇と自信過剰って何気に対の特性っぽいな。やっぱり発売前に公開されたメグロコの影響か? ハイエナというとどうしても死骸食う掃除やとかずる賢い子悪党ってイメージが出てくるけどこいつの設定は主人に忠実でチームワークの強いハンターって感じでそんな陰湿なイメージぜんぜんないよな。ある意味ゲーフリGJと言いたい。ちなみに現実のハイエナも意外と優秀なハンターなんだそうだ かなり不遇扱いだが、探検隊シリーズでは優秀。なんと破壊光線の反動なし! ↑不遇どころかダブルでは無双も狙えるポケモンになってる ORASではアクア団(マグマ団)アジトとトクサネ宇宙センターにおいて五つ子姉妹と群れバトルをすることになる。特にトクサネの方はグラエナ×5で全員威嚇かつバークアウトを覚えているため非常に厄介……と思われたが何故か吠えるまで覚えているためまるで意味が無かったりする。 グラエナキバのデパート型 アタッカーであることがもうすでにネタ型 浪速の逃犬型 特殊型 はやあし運ゲ型 昆布補助型 特殊耐久型 ねこのてパーティー調整型 ミュウツー捕獲型(ポチエナ) 覚える技レベルアップ 技マシン タマゴ技 教え技 その他 遺伝遺伝経路 外部リンク キバのデパート型 性格:きばぐれ 性別:♂の方が表示がキバっぽい。(爆) 努力値:HP6 攻撃252 素早さ252 持ち物:するどいキバ 技:どくどくのキバ/ほのおのキバ/こおりのキバ/かみなりのキバ 同時遺伝って、画伯以外にできるんだろうか? 場合によっては、かみつく・かみくだくで妥協するのも手だと思うんだ。 ↑アーボックがおります ↑↑あとクチートもな。といってもクチートも結局は遺伝だが。 アタッカーであることがもうすでにネタ型 性格:いじっぱりorようき 特性:威嚇or早足 努力値:HP6 攻撃252 素早さ252 持ち物:光の粉とか。早足なら、どくどくだま。襷やスカーフとかは幾らなんでも勿体無い気がする。 技:【確定技】威嚇>ふいうち 早足>かみくだく/からげんき【選択物理技】おんがえし/アイアンテール/三色キバ【選択変化技】(笑)ちょうはつ/さきどり/よこどり/いちゃもん/ほえる/あくび/いばる(+じこあんじ)/とおぼえ/にらみつける/こわいかお/まもる/カウンター こいつを物理アタッカーとしてガチで使おうと努力をしてみる型。 特性早足なら「かみくだく」と「からげんき」、威嚇なら「ふいうち」を取る。 変化技のバリエーションは豊富なんだぜ! 普通にアタッカーにしてた俺はどうすれば・・・ ↑己の信じる道を突き進めばいい。俺だってパチリスをアタッカーにしてたZE ↑↑攻撃90は決して低いわけじゃない。マイナーポケの攻撃くらい余裕で受けられると油断する人は多いと思うから、思わぬ致命傷を与えて意表をついてやろうぜ。 ↑攻撃90なのは低いとは思わんが、悪技が物理特殊ともに低威力すぎる。逆に技の威力さえあれば、種族値は低くてもなんとかなるんだがな… 浪速の逃犬型 性格:いじっぱり、なまいきなど 特性:はやあし推奨 努力値:HP6 攻撃252 素早さ252 持ち物:パワーベルト 技:いばる、ほえる、ちょうはつ、かみつく、にらみつける、いちゃもん、いばるから4つ 攻撃技が全くない浪速の逃犬。とりあえず相手をおちょくりまくろう。 特殊型 性格:ひかえめorおくびょう 特性:どちらでも。はやあしの場合は臆病最速推奨 努力値:特攻252 HP252or素早さ252 持ちモノ:こだわりメガネ/ものしりメガネ/いのちのたま/かえんだま/どくどくだま 確定技:あくのはどう 選択技:めざめるパワー(飛行とか地面とか格闘とか)/シャドーボール/ハイパーボイス(BW2教え技)/はかいこうせん/ふいうち/やきつくす/いかりのまえば/ちょうはつetc なぜこの型がない。 シャドーボールは範囲被りまくるから却下…といいたいところだが技スペースがなさ過ぎてどうしようもない。 わるだくみ使えないのが残念。この型こそまさにヘルガーの劣化だよな。 ↑威嚇と耐性の違いでふんばるしかないな はやあし運ゲ型 性格:おくびょう 特性:はやあし 持物:おうじゃのしるしorするどいキバ 努力値:素早さ252、特攻248 技:ねむる/いびき/あくのはどう/めざめるパワー(地) 50戦ならギリギリ130族が抜ける。劣化トゲキッスだが気にしてはいけない。 ゴーストにはあくのはどう、岩or鋼にはめざ地でも撃っとけ!(格闘は最速にならないので没) 昆布補助型 性格:ようきorおくびょう 特性:はやあし 努力値:素早さ252 他耐久 持ち物 どくどくだま/たべのこし/きあいのタスキ 確定技:ねむる/ねごと/ほえる 選択技:かげぶんしん/まもる とある動画で見た型。一応本家にも最速のねむねごほえるの使い手だと紹介されているが 肝心の型が本家にもここにもないので作ってみた。 仲間にステロやまきびししてもらってから光臨。 動画では選択技がかげぶんしんだったが、まもるのほうが安定するかも知れない。 たべのこしだとわずかに耐久力上がるけど、どくどくだまならほぼ確実に2ターン目にはやあしねむるができる。 タスキなら一撃死の可能性を減らせる。どれががいいだろうか。 かえんだまはアタッカーではないと悟られるから非推奨。 ↑守るは絶対ありえない。ねごとで外れる可能性のほうが高いとかどうよw ↑言ってる意味がよくわからないけど、ねむねご守るの仕様は知ってる? しかしガチ対戦に使えうる型なのかどうかは不明である。 ↑毒発動→早足発動→眠るで回復→起きるってなるんだろうが、起きたあともまた毒々玉発動する? ↑毒中、眠り中は早足発動。 眠りから覚めるターンも、ターン開始時は眠り扱いだから早足効果あり。 眠りから覚めたターン終了後、猛毒になるからまた早足発動。 よって、最初に毒毒玉発動した後は、眠ろうがなにしようが常時倍速。 ...となると割りとイケそうな気がするんだがどうだろうかw ↑細かいけど1.5倍ね。ちなみに某動画では怯み狙いのかみつくが選択技だったな。 特殊耐久型 性格:しんちょうorおだやか(混乱時を考えるなら) 特性:威嚇推奨 努力値:HP252 特防252 素早さか防御4 持ちモノ:たべのこし 確定技:どくどく/バークアウト 選択技:よこどり/怒りの前歯/ほえる/ふいうち/いばる 適当に作ったら存外に強かったので、ここに。 主に特殊アタッカーやらサポートポケに死に出しで繰り出して使う。 桂馬パなんかに見られる、調整されたアタッカーなんかがカモ。死に出しできあいだまやら何やらを耐えてどくどく(前歯でも)だ! 単悪だから弱点をつかれにくいので意外なものを耐えたりする。 1発で落とせないとなると積んでくる奴が多い為ほえる/よこどりで時間稼ぎをし、出来る限りどくどくや前歯を振り撒け! 物理に出しても、相手によっては積んでくることがあるのでそこを吠えてしまえば特殊を呼び出すことが出来るかも。 66で使うと、使いやすい。 運ゲ狙うならいばるもありか。 ↑BW2で前歯とバークアウトを両立できるようになったので慎重HDふいうち/バークアウト/怒りの前歯/あくび、でシングルまわしてみた。 感想としてはあくび→守るにしてダブルで活きる気がした。弱くはないと思う。 ねこのてパーティー調整型 特性:はやあし 努力値:攻撃252 特攻252 持ち物:どくどくだま 選択技:さきどり/どろぼう/まもる/ほしがる/よこどり ねこのてで選ばれない技のみで構築した型。ねこのてパのお供に。 はやあし+毒々玉+さきどりで夢の竜狩り仕様・・・としては火力がぎりぎり。 攻撃特化でH4振りガブリアスを先取り逆鱗で丁度確1、特攻特化で無振りラティオスを先取り流星群で乱1。 もちろん性格補正の両立はできない。 ミュウツー捕獲型(ポチエナ) 性格:何でもいい 特性:どっちでもいい 努力値:なし 持ち物:なし 確定技:あくび HGSSのミュウツーを捕まえるのに特化した型。 他のやつでHP赤にした後はこいつの出番。ひたすらあくびで眠らせてボールを投げてやろう。 デルビルがお勧めのようだけど、自分は寝かせれるこっちの方がいいと思う。実際こいつを使った。 ちょっと用意しにくいのが難点だが、向こうの技は何も効かないので生まれたてのレベル1でもいい。 覚える技 レベルアップ ポチエナGBA グラエナGBA ポチエナDS/BW グラエナDS/BW 技 威 命 タイプ 分類 PP 1 1 1 1 たいあたり 50 100 ノーマル 物理 35 5 5 5 5 とおぼえ - - ノーマル 変化 40 9 9 9 9 すなかけ - 100 じめん 変化 15 13 13 13 13 かみつく 60 100 あく 物理 25 17 17 17 17 かぎわける - - ノーマル 変化 40 21 22 21 22 ほえる - 100 ノーマル 変化 20 25 27 25 27 いばる - 90 ノーマル 変化 15 - - 29 32 ダメおし 50 100 あく 物理 10 29 32 33 37 こわいかお - 90 ノーマル 変化 10 37 42 37 42 ちょうはつ - 100 あく 変化 20 - - 41 47 さしおさえ - 100 あく 変化 15 33 37 45 52 とっしん 90 85 ノーマル 物理 20 - - 49 62 ふいうち 80 100 あく 物理 5 41 47 53 - かみくだく 80 100 あく 物理 15 45 52 - 57 どろぼう 40 100 あく 物理 10 技マシン マシン 技 威 命 タイプ 分類 PP 技05 ほえる - 100 ノーマル 変化 20 技06 どくどく - 90 どく 変化 10 技10 めざめるパワー - 100 ノーマル 特殊 15 技11 にほんばれ - - ほのお 変化 5 技12 ちょうはつ - 100 あく 変化 20 技15 はかいこうせん 150 90 ノーマル 特殊 5 技17 まもる - - ノーマル 変化 10 技18 あまごい - - みず 変化 5 技21 やつあたり - 100 ノーマル 物理 20 技27 おんがえし - 100 ノーマル 物理 20 技28 あなをほる 80 100 じめん 物理 10 技30 シャドーボール 80 100 ゴースト 特殊 15 技32 かげぶんしん - - ノーマル 変化 15 技41 いちゃもん - 100 あく 変化 15 技42 からげんき 70 100 ノーマル 物理 20 技44 ねむる - - エスパー 変化 10 技45 メロメロ - 100 ノーマル 変化 15 技46 どろぼう 40 100 あく 物理 10 技48 りんしょう 60 100 ノーマル 特殊 15 技59 やきつくす 30 100 ほのお 特殊 15 技63 さしおさえ - 100 あく 変化 15 技66 しっぺがえし 50 100 あく 物理 10 技67 かたきうち 70 100 ノーマル 物理 5 技68 ギガインパクト 150 90 ノーマル 物理 5 技87 いばる - 90 ノーマル 変化 15 技90 みがわり - - ノーマル 変化 10 技94 いわくだき 40 100 かくとう 物理 15 技95 バークアウト 55 95 あく 特殊 15 BW2のみ 秘04 かいりき 80 100 ノーマル 物理 15 ※以下は第4世代までの技マシン BW 技23 アイアンテール 100 75 はがね 物理 15 × 技43 ひみつのちから 70 100 ノーマル 物理 20 × 技49 よこどり - - あく 変化 10 タマゴ 技58 こらえる - - ノーマル 変化 10 × 技78 ゆうわく - 100 ノーマル 変化 20 × 技79 あくのはどう 80 100 あく 特殊 15 PDW 技82 ねごと - - ノーマル 変化 10 タマゴ 技83 しぜんのめぐみ - 100 ノーマル 物理 15 × タマゴ技 GBA DS BW 技 威 命 タイプ 分類 PP ○ ○ ○ おどろかす 30 100 ゴースト 物理 15 ○ ○ ○ どくどくのキバ 50 100 どく 物理 15 ○ ○ ○ ほしがる 60 100 ノーマル 物理 40 ○ ○ ○ にらみつける - 100 ノーマル 変化 30 ○ ○ ○ あくび - - ノーマル 変化 10 × ○ ○ ふいうち 80 100 あく 物理 5 × ○ ○ こおりのキバ 65 95 こおり 物理 15 × ○ ○ ほのおのキバ 65 95 ほのお 物理 15 × ○ ○ かみなりのキバ 65 95 でんき 物理 15 × ○ ○ さきどり - - ノーマル 変化 20 × × ○ よこどり - - あく 変化 10 × × ○ ねごと - - ノーマル 変化 10 教え技 FL Em XD Pt HS BW2 技 威 命 タイプ 分類 PP BW ○ ○ ○ のしかかり 85 100 ノーマル 物理 15 × ○ ○ ○ すてみタックル 120 100 ノーマル 物理 15 × ○ ○ カウンター - 100 かくとう 物理 20 × ○ ○ ○ ものまね - 100 ノーマル 変化 10 × ○ ○ ○ みがわり - - ノーマル 変化 10 技90 ○ じこあんじ - - ノーマル 変化 10 × ○ ○ ○ ○ いびき 40 100 ノーマル 特殊 15 × ○ こらえる - - ノーマル 変化 10 × ○ ○ ○ どろかけ 20 100 じめん 特殊 10 × ○ ○ いばる - 90 ノーマル 変化 15 技87、Lv. ○ ○ ねごと - - ノーマル 変化 10 タマゴ ○ ○ ○ さわぐ 50 100 ノーマル 特殊 10 × ○ ○ ○ うらみ - 100 ゴースト 変化 10 × ○ ○ ふいうち 80 100 あく 物理 5 Lv. ○ ○ いかりのまえば - 90 ノーマル 物理 10 × ○ ずつき 70 100 ノーマル 物理 15 × ○ ほしがる 60 100 ノーマル 物理 40 ○ イカサマ 95 100 あく 物理 15 ○ あくのはどう 80 100 あく 特殊 15 ○ ハイパーボイス 90 100 ノーマル 特殊 10 ○ アイアンテール 100 75 はがね 物理 15 ○ よこどり - - あく 変化 10 ※技マシンで「じこあんじ」を覚えないので注意! その他 技 威 命 タイプ 分類 PP 詳細 いやしのすず - - ノーマル 変化 5 XD どくどくのキバ 50 100 どく 物理 15 XD、DW とおぼえ - - ノーマル 変化 40 DW あくのはどう 80 100 あく 特殊 15 DW バークアウト 55 95 あく 特殊 15 ポケスマのゾロアークから遺伝 遺伝 タマゴグループ 陸上 孵化歩数 3840歩 (※特性「ほのおのからだ」「マグマのよろい」で----歩) 性別 ♂:♀=1:1 遺伝経路 全てドーブルでOK。 外部リンク マイナーポケモン対戦考察まとめwiki - グラエナ
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1 名前 名無しより愛をこめて Mail 投稿日 2008/03/11(火) 03 52 20 ID nhlgZK870 毎回キバを倒すことのみに執着し 周りのことは一切考えない自己中心的な強情男 そんなバウンティハンター(笑)名護慶介のアンチスレです (役者の演技を批判するのはOK、役者と役を混同した批判はNGです) 1-200 201-400 401-600 601-800 801-1000
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『月と大地の邂逅』-6 作者・シャドームーン 57 必殺のJライダーキックの前に砕け散るサーベルダブラー。 立ち上る爆炎を背に、巨人となった仮面ライダーJは、ゆっくりと着地の体勢から 体を起こして辺りに目を配る。魔女キバは形勢不利を悟ってか、逸早く姿を 消していた。ほどなく、仮面ライダーJの体が光を放ち、元の大きさに戻っていく。 全ての精霊エネルギーを集結させる巨人変身は、強力無比な必殺技を 繰り出せる半面、パワーの消耗が激しいのだ。 ライダーJ「やれやれ、逃げ足の早い婆さんだな…ん? あれは―!!」 ライダーは此処から少し離れた場所に広がる、樹海の異常に気づいた。 森の中心部を刳り貫くようにできたクレーター、そこに生物とも機械ともつかぬ、 異様な要塞が鎮座しているのだ。「それ」が何なのか、彼にはすぐに分かった。 ライダーJ「フォッグマザー! あの中に茜ちゃんがっ!! …!?」 突如、彼の腹部にある「コア」――が共鳴を起こし始める。 全く同じ現象が、先程あの樹海内で起きていた事を彼には知るよしもなかったが、 大地の戦士としての本能がこの共鳴を呼び起こした者の存在を察知していた… ライダーJ「…凄まじいパワーとパワーのぶつかり合いをフォッグ母艦内 から感じる…あの中で誰かが戦っているのか…一体、誰が??」 ――しかし今は、一刻も早く少女を救い出すことが先決である。 彼は愛車ジェイクロッサーのアクセルを吹かし、機械獣母艦フォッグマザー に進路を向けてマシンを発進させた。 ◇ ◇ 魔女キバ「行きおったか…どうやらこれで、フォッグマザーの 命運も決まったようじゃな」 サンドルバ「キバ! 無事だったか」 疾走して行くジェイクロッサーを憎々しげに見つめる魔女キバ。 その前に、魔法のような術で突然厳つい甲冑を纏った男が現れた。 ドン・ホラーの実子にして彼女の溺愛する息子、サンドルバその人である。 魔女キバ「おお、倅や…すまんのう、生意気な仮面ライダーの小童めが、 こともあろうに掟破りの巨大化をしおったせいで…大事な宝を手に入れ 損ねてしもうたわ。…で、そっちの首尾はどうじゃった、ん?」 サンドルバ「うむ。あの小娘はキバの言う通りフォッグマザーに献上したが…… 本当にあんな餓鬼がシャドームーンの弱点になるというのか? フォッグの連中に奴を襲わせ、共倒れを期待して月の石を頂くつもりだったが… 影の王子は噂以上に手強いぞ、キバよ。忌々しいが、全く隙がない」 魔女キバ「キヒヒ…わしの睨んだ通りなら、あのシャドームーンがいかに強かろうと 必ずあの娘を見れば動揺するじゃろうて。後はフォッグマザーの頑張り次第じゃが… 大地の石を持っとるボウヤもあちらへ向かった今、おそらく勝負は見えたのう」 サンドルバ「奴を行かせていいのか? キバよ」 魔女キバ「あ~ほっとけほっとけ。わしらがそこまで協力してやる義理はない。 生贄に必要な娘を届けてやったんじゃから充分じゃ。それに結果的にお前の 邪魔者の一人、ガライ王子を始末できたからのう…ギヒヒヒ! 後はシャドームーンがやられるか、フォッグマザーが滅びるか…どっちに転んでも わしらに損はない。影の王子もフォッグもよっく働いてくれたわ…エ~ヘェヘヘ」 サンドルバ「それもそうだな。 これで我々マクーの邪魔となる勢力が一つ 消えるわけだし、父上にも喜んで頂けるだろう。ウワハハハハ!」 魔女キバ「なんせGショッカーには世紀王候補が掃いて捨てる程おるからのう。 こうやってココ(頭)を使いながら、目の上のたんこぶを潰していくのが賢い者の やり方じゃ。 キングストーンを奪取できなんだのは口惜しいが、 この成果には“あの御方”もご満悦のはず…ま、いづれは消えてもらわねば ならんがの。キヒヒヒ…」 58 シャドウ「是非とも、その御方の名をお聞かせ願いたいですな…」 魔女キバ「だ、誰じゃ!?」 サンドルバ「うぬっ、これは…姿を見せろシャドウ!!」 満足のいく結果にほくそ笑むマクー親子の前に、何処からともなく トランプが舞い飛び、ジェネルシャドウが姿を現した。 サンドルバ「貴様ァ… 盗み聞きかッ!!」 シャドウ「フン。Gショッカーの覇権を巡り、日夜策謀にお励みの方々に 比べれば可愛いものよ…しかし気に入りませんな、この私まで欺くとは…」 ジェネラルシャドウは二人に背を向け、腰のサーベルの柄に右手を添えて 軽く揺らしながら、淡々と言葉を発しているが…… その一言一言には刺すような殺気が込められていた。 魔女キバ「チィィ、“はぐれデルザー”の分際で無礼じゃぞ!!」 サンドルバ「俺は日頃から、貴様の慇懃無礼なもの言いが癇に障っていた! 文句があるなら此処で相手になってやるぞシャドウ!!」 シャドウ「私が貴方と戦う? 世紀王候補でもない俺が、わざわざ貴方と? ククク…ご冗談を。そんな無益な決闘をするつもりはありませんよ」 サンドルバ「ハッハッハ! 怖気づいたか!!」 シャドウ「フッ…まぁ何とでも言えばよろしかろう。それより、サンドルバ殿の母君… 先程仰られていた、あの御方とは何方様のことですかな? 失礼ながら、幾らフォッグマザー様がゴルゴムの影の王子に激しい敵意を持って いたとはいえ、貴女の企みに易々乗るとは思えませんのでね…相当な有力者の 入れ知恵でもなければ、こんな軽挙に及ぶとは考えにくいのです…」 魔女キバ「(ギクッ …こやつ…!)」 サンドルバ「……………」 魔女キバ「キヒヒ…な、何のことやらさっぱり分からんのう。それにお主のような、 いつ裏切るか分からんような輩に、教えることなぞ何も無いわ!」 シャドウ「ま…いいでしょう。組織間のいざこざなど私にはどうでもいいこと… …唯一つだけ忠告しておこう…俺のプライドを悪戯に汚さんことだ…!!」 静かに、しかし重く響く白い改造魔人の言霊。 紳士的な物腰ではあるが、ジェネラルシャドウの透明なフードの奥にある瞳は、 凄みを帯びた迫力で二人を見据えている――――――― サンドルバ「ヌゥゥ~ッ、貴様ァ!!」 魔女キバ「かまうでないサンドルバ。わしらの用は済んだ、引き揚げるぞい…」 サンドルバ「ちっ…おぼえておれよシャドウ。いづれ貴様もこの槍の錆にしてやる!!」 魔女キバが呪文を唱え終わる頃には、親子の姿は消えていた。 シャドウ「クックック…何とも呆れた醜さよ。憶えておけだと… バカめ、貴様らなど俺の眼中に無い! 俺が再びこの世に舞い戻った 目的は唯一つ―――仮面ライダーストロンガー、城茂を殺すことのみよ… さて、向こうも決着が着く頃合か…トランプフェイド!」 再び宙にはトランプが舞い散ったが、やがて消えて行った――― ○瀬川耕司/仮面ライダーJ→樹海に着陸した要塞フオッグマザーに向かう。 ●魔女キバ→撤退 ●サンドルバ→撤退 ●ジェネラルシャドウ→決着を見届け、本来の「仕事」を果たすべくフォッグマザーに向かう。 【今回の新規登場】 ●サンドルバ(宇宙刑事ギャバン) マクーの首領ドン・ホラーの実の息子。マクーのプリンスゆえに我侭である。 まさに親の威光をかさに威張り散らすタイプで、部下の評判はあまり良くない。 しかし武芸の腕前は確かで、槍を駆使してギャバンと互角に渡り合う。 武者修行の旅からマクー城に戻ると、早々にハンターキラーを失脚追放に 追い込み幹部の座を独占した。しかし度重なる失敗とあまりの放蕩ぶりに 父ホラーに愛想を尽かされ、マクー城追放を言い渡されたこともあった……。
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【種別】 スタッフ 【担当】 劇場版主題歌アーチスト 【名前】 Crimson-FANG 【よみがな】 クリムゾンファング 【担当】 劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王の主題歌 Circle of Lifeの過去編 1986 ver.と現代編2008 ver.の2曲を担当。劇場版のみの限定ユニット。 ボーカルの相川七瀬(未作成)は2年ぶりに本格復帰をする。 ギターはマーティ・フリードマン(未作成) ユニット名のCrimson-FANGは、キバという意味のFANGと、紅という女性をイメージさせる紅色と 仮面ライダーキバの主役2名の紅渡/紅音也の意味をもつCrimsonをあわせたもの。 【ニュース記事】 相川七瀬からのコメント CINEMA TOPICS ONLINE 映画『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』主題歌は、相川七瀬2年半ぶりの新曲 【関連するページ】 劇場版仮面ライダーキバ魔界城の王 完全攻略マニュアル 情報 劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王
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騎士 ◆gry038wOvE 冴島鋼牙の魔戒剣が円を描いた時、彼の身は金色の鎧に包まれた。 黄金騎士牙狼(ガロ)が吠える。この眩い金色の光を放つ金狼こそ、冴島鋼牙その人であった。 右手の剣もまた変化し、牙狼剣となって切っ先を眼前の怪物に向ける。 敵の名は暗黒騎士呀(キバ)といった。牙狼とは相対的に、その鎧は底知れぬ「闇」を放っていた。闇というものは、通常放たれるようなものではなく、何もないところに存在するものであるはずが、魔戒の鎧はそれを今、放っていた。それは見る人が見れば光と錯覚させるほどに神々しくもある。 暗雲が立ち込めるように、あるいは、無尽蔵な殺気を放つように、そのオーラは暗黒の鎧を中心にして周囲の光を奪っていた。その闇こそが、悪しき強敵の圧倒的な存在感を作り上げていた。 「はああああああぁぁぁぁぁっ!!!」 ガロ、駆ける。 その影は疾風のごとし。ガロに焦点を当てたなら、彼の周囲は景色ですらなくなっただろうか。彼を囲む森の木々は、ガロの輝きに押され、速さに追いつけず、その色さえも失うほどであった。 牙狼剣がキバの胸元へと引き寄せられるまで、一秒とかからなかった。その速さは、まさしく、先ほど喩えた疾風であった。 キバは己と戦っていたブラスターテッカマンブレード──相羽タカヤを引き離すと、暗黒剣を横に構えて真下からそれを受けた。剣と剣は弾きあい、ギギ……と小さな音を立てた。 「フンッ……その程度か」 「何?」 「同じ牙の名を持つ同士だ……折角だから、キバを名乗る意味を今おまえにわからせてやろう」 キバの胸元に輝くレイジングハートは目の前に突き出された攻撃に一瞬に焦りを抱いただろうか。彼女は、きっとキバに救われたと思ったに違いない。バラゴの言葉や敵の言葉に疑問を抱いても、バラゴとの契約を反故にする気はなかったし、一定の信頼値から下がる事もなかった。 バラゴとしては、既に、ある程度の情報は引き出している。後は、このレイジングハートの持つ力とやらを、引き出し、自分の物と成すか、あるいはこのまま「レイジングハート」を知る者の信頼を買い、更に情報を引き出すかだ。まあ、それこそどちらでも構わないが。 ただ、まあ、今この時は何となく、バラゴ自身も、レイジングハートを敵の攻撃から守った認識はしていた。咄嗟に、レイジングハートが傷つけられる事を避けたのである。 価値があるからこそ、だろうか……。 まあ、レイジングハートが秘める力には興味がある。それを得るためには、多少この身を汚しても構わないだろうと思った。 △ 時は、少し遡る。 「……親しい者を失うのは辛い事だな」 先ほど。移動の途上で、バラゴはレイジングハートにそう言った。 不意の一言だったので、レイジングハートは驚く。これまでの言葉よりも、レイジングハートはその言葉に対して感情のようなものを感じた。 機械がそんな事を思うのも、変な話だが。 バラゴは、無駄話を嫌う人だと思ったから、それだけ呟いたのだろうと思った。しかし、彼は続けた。 「僕の父と母もかつて、異界の魔物ホラーによって命を奪われた。……僕は、両親を殺したホラーを滅ぼすために……魔戒騎士になったんだ」 レイジングハートは、その言葉を聞いて、少しばかり重い気分になった。これまで半信半疑だったバラゴに対して、「同情」というが生まれたのである。信頼でも疑念でもないが、それはレイジングハートの心を動かすには充分な物であった。 バラゴはそれから、少しだけ道に停まり、家族の話をした。 家族の死。 それを語る時のバラゴの口調は物憂げで、到底嘘とは思えなかった。何かに燃えるような闘志がバラゴの目に映っており、鋭く何かを睨みつけていた。その目は正でも邪でもない。彼が今、見ているのは、忌まわしき過去だろう──とレイジングハートは思った。そんな時の目を、善悪で計れるほど、レイジングハートも機械的ではなかった。 バラゴは今の自分と同じく親しい人を奪われた。そして、その悲しみをバネにして戦っている。彼は悪を狩っている。 「……つまらない話をしてしまったな」 彼はそんな中でもレイジングハートを気遣うだけの優しさを持っていた。それが、不思議とレイジングハートの側も彼に対する信頼を生ませる形になった。 信頼──いや、依存というべきかもしれない。 バラゴの見せた人間味と、同情すべき過去、「親しい人の死」という小さな記号が合致した(通常の神経ならば親近感を抱くほどではない)些細な偶然。 それが、バラゴに対する盲目を作り出した。 バラゴの内心や事情をよく知っている一方で、相手の事情は一切知らない。ゆえに、レイジングハートは相手方の短所ばかり見つけて、バラゴに正当性があるようにこじつける心理を働かせ始めていた。 『Kouga, I will never forgive you.』(鋼牙。私はあなたを許さない) 敵の冴島鋼牙と、味方の龍崎駆音。 この構図は、もはやレイジングハートの中では揺るがない真実と変わっていった。 鋼牙の境遇や内面を知らないレイジングハートは、鋼牙に微塵の同情も信頼も寄せられないが、それらを少しでも受けた駆音に対してはそれができる。 もはや、レイジングハートの中に正常な判断のできる神経などほとんどなかった。 バラゴが決めつけた龍崎駆音という名前──この名前の時のバラゴが心理学や精神医学に精通した心理カウンセラーである事など、レイジングハートが知る由も無い。 他人に絶対の信頼を寄せさせるためには、同情を寄せさせるのは一つの手である。 そう、バラゴは、レイジングハートを己に取り込むために、レイジングハートの精神を揺さぶる目的でこれを話したのである。 しかし、こうして、心理的な操作のためとはいえ、誰かに内情を伝える事は、──少なくとも、「このバラゴ」にとっては初めての経験だっただろう。だから、何故か、妙な連帯感が生まれる事になった。 機械的で、意思があるのかないのかさえわからない。他人の死を悲しむ事はできても、果たして人間らしい喜怒哀楽がはっきりしているとは言えないこのメカニズム。 だからこそ、なのだろうか。 プログラムを書き換えれば、人間よりも扱いやすい存在なのかもしれない。 △ 「フンッ……」 ガロの刃は弾かれ、キバの一太刀がガロの左肩へと食い込んでいく。 血が吹き出し、胸のレイジングハートはその返り血が濡れる。血を浴びる趣味はないが、またこれも敵を倒すための必然だというならば仕方ないかもしれない。 ガロの方も肉を切らせて骨を断つ覚悟で横凪ぎに剣を振るう。小さな風が起こるが、鎧はそんなものをものともしない。 キバは風を受けると同時に、後方に高く跳び上がった。マントがはためき、キバの両足は地を離れて木の枝に立つ。 「グッ」 タイミングよく避けたつもりであったが、どうやら腹部にしっかりとガロの一撃による傷跡が生まれたらしい。 キバの鎧の内から、黒く染まった血液が垂れた。 なるほど、やはり冴島鋼牙は実力を上げている。もう一方の無名の魔戒騎士が相応の力──無力に等しい力──しか持っていなかったのとは対照的だ。 戦いで、血を流すのはいつぶりだろう。 あまりにも久々すぎて、一瞬ばかり、敵の血だと思ってしまったほどである。誰の血なのかは、流石にすぐにわかったが、純粋な驚きと、それから喜びが湧きあがった。 闇に堕ちない騎士が、これほどの力を持ったとは。 「……はぁっ!!」 掛け声を聞いてキバは再び飛び上がる。 休んでいる暇はない。来るのはテッカマンブレードによるテックランサーの投擲。 つい先ほどまでキバがいた場所に向けて放たれたテックランサーは、木の幹に深々と突き刺さる。 いや、突き刺さるどころの騒ぎではなく、テックランサーは木を貫通していた。 まるでリンゴを握りつぶすようにあっさりと弾け、骨太な大木は一瞬で粉塵へと変わる。 (一歩間違えば、危ういか……) キバは着地した後、木の滓を頭から被っていた。 それを意に介す事もなく、キバは剣を構える。 むしろ、上手く避けなければこのデスメタルの鎧もどうなったかわからないのだから、この程度を気にしてもいられないだろう。 余裕を持った戦いをする事はできない。 (とはいえ、黄金騎士がある程度落ち着いて戦っているのに対し、この男は感情を露骨に剥き出しにしている……付け入る隙は充分だ) 肌色の粉を振り払いながら、キバはテッカマンブレードに狙いを定めた。 まずは弱い者から潰していった方が、効率は良い。単純なエネルギー量において勝るテッカマンブレードは弱いながらも厄介で、ガロとの戦闘中にブレードの攻撃を受けてしまえば致命傷となる事もある。 キバの隙を見つける程度の戦闘経験はあるようだし、そもそもブレードは投擲にしろ戦闘にしろ「筋」は通っている。 天賦の才とでも呼ぶべきだろうか。 そこに相乗して、常人程度の努力も重ねていたようだが、所詮はキバに勝る者ではないと考えられる。 「フンッ」 キバは鎧の重量からは考えられぬスピードでブレードの眼前まで飛ぶ。 ブレードが顔を上げると、その仮面めがけて大剣が叩きつけられた。 「なっ……ぐああああああっ!!」 既にタカヤの身体の内で最も損傷が激しい脳の部分を強打した瞬間の痛みと来れば、もはや形容する事ができないほどであった。 脳がかき回されるような感覚に、咄嗟にブレードは己の頭部を抑えた。 棒を振り下ろされたスイカの感覚を、ブレードは味わっていた。 そこにすかさず、キバはもう一撃、横一閃──ブレードの胸を抉る剣技を見舞う。 「あああああああああああああああっ!!!」 ブレードの体液が吹き出し、レイジングハートはまたそれを浴びた。 もはや、元来のレイジングハートの透き通る赤い輝きは、どす黒い血の色に染まり、輝く事もなくなっている。 流石のレイジングハートにも不快感が募る。 「……」 しかし、龍崎駆音との契約のひとつ。 喋ってはならないとの契約から、レイジングハートは冷徹無比な「物」を貫き通す。 機械ですらない、ただの水晶玉。喋るはずもない。できるなら思考も奪いたいところだが、思考という物は簡単に止められるものではなかった。人が苦しむ姿への嫌悪。それはある。 しかし、限りなく無に近い状態で。息を止めるように。レイジングハートは、「物」であり続けた。 「……来るか」 背後から、ガロの気配を感じた。キバと同じく牙狼剣を構え、こちらに向かってくるガロは、おそらくキバのその背中を狙う。キバはそれに気づいている素振りさえ見せず、前方のテッカマンブレードに注意を払った。 ブレードも決してただ頭を抱えるだけではないようだ。 まだ脳がかき回されるような痛みに耐えているかもしれないが、それでも目の前の敵に一撃浴びせるべく、拳を前に突き出した。 「うおりゃあああああっ!!」 ブレードのただの我武者羅な一撃。しかし、それはあっさりとキバに手首を掴まれる。残念ながら、不発だ。 無論、手首を掴まれただけでは終わらない。攻撃の失敗は、そのまま敵の攻撃に転ずる。 ブレードの手首をつかんだまま身を翻したキバは、ブレードの背後に立つ事になった。その動作によって、ブレードの腕は大きく捻られ、右肩から先全てに刺激が走る。 そして、こうしてキバがブレードの背後に回ったという事は、ブレードの眼前にあるのはガロの剣であった。 「何っ!?」 ガロは咄嗟の出来事に対応しきれず、そのままブレードの腹を切り裂く。狙ったのはキバであったというのに、これでは同士討ちだ。 直前で最低限力を弱めたとはいえ、牙狼剣の威力は凄まじく、テッカマンブレードはその剣の鋭さを全身に感じた。頭頂から指先まで、四肢にも頭部にも激痛は巡り、その縛りが消えた時、テッカマンブレードはついに地面に足を突いた。 「……ぐっ」 しかし、ブレードはその痛みの中で、叫び喘ぐ事もなかった。喉が締まるような感覚とともに、叫びさえ出なくなったのである。 てっきり、首を絞められているのかと思ったが、おそらく首の筋肉が硬直したのだろう。 痛みというよりか、麻痺に近い。首から上が、吊ったように動かなかった。 やがて、それが自然と消え去ると、再び満身創痍の身体に鞭を打って立ち上がる。身体は罅割れ、全身は血を流す状態だ。足はもはや、通常ならば立ち上がれない状態である。目の前で仲間を奪われた怒りが彼を動かす原動力だった。 「そこかぁぁっ!!」 ブレードは、目の前に拳を振るう。そこに何があるのか、など、見えても……あるいは、考えてもいないだろう。ほとんど掠れた意識から放つ攻撃は、視覚にも聴覚にも頼らない。いや、もはや頼れないのである。 先ほど目の前に斬撃が放たれたのだ。今、そこには敵がいるだろう……。──短絡的な思考が彼を動かす。 真っ暗な世界で、世界の全てを恐れるように、信頼さえもしないように攻撃を続ける。 その攻撃の主がガロである事に気づく事もなく、ただわけもわからずに、どこかにいる「敵」を狙った。 「……やめろっ!! 俺は味方だ!!」 ガロの言葉など聞こえない。一撃、一撃。また一撃。テッカマンブレードの拳はガロに向けて振るわれる。 黄金の鎧を殴打する真っ赤な拳。二つの物体が弾け合った。 ガロはどうする事もできず、ブレードを引き離そうと努めるも、それはまた無意味だった。 「おりゃああああああっ!!」 ブレードの首はガロの首を掴み、ダイナミックに彼の身体を吹き飛ばす。この力は、ガロの装着者にとっても意外だったろう。 空中で数回転しながら、ガロは地面に叩きつけられ、跳ねた。叩きつけた方向にブレードは駆け、その身体を踏みつけた。距離間隔だけは寸分の狂いもない。 そして、ブレードはこう思った。「確かにその一撃は“鎧”を踏みつけている」。自分を攻撃した敵──バラゴを踏みつけているのは間違いないだろうと、ブレードは確信していた。 (……くっ、時間がない) 重いダメージを受けながらも、ガロが考えているのは全身の痛みの事などではなかった。 そう、ガロには鎧装着のリミットがある。鎧を装着できるのはほんの僅かな間だというのに、こうして仲間割れをしている時間がどこにあろうか。 その「時間」というものは、ガロだけではなく、ブレードの方も焦らせていた。 現状でブレードが変身を続けられる時間は残り十分程度だろうか。ガロの方が変身を続けられる時間が短いとはいえ、このまま三十分変身し続ければラダムになってしまう。その性質への恐れが、──そんなリスクを避けるの行動が。まるでラダムと同じように「暴走」させているのは、何という皮肉だろうか。 ガロは、やっとの思いで、テッカマンブレードのキックのタイミングをとらえ、脚を掴んだ。ブレードはそのまま動けなくなる。その隙に、ガロは立ち上がった。 なるべく味方として共に戦いたかったが、この状態のブレードと共闘するのは不可能だ。 まずはキバとの決着をつけねばならない……と周囲を見回すと、 「ここだよ、黄金騎士」 黄金騎士の鎧を砕いて背後から突き刺すような一撃がガロに伝わる。 いつの間にか、キバはガロの背後を捉えていたのだ。 ガロがキバを見失い、ブレードは状況を冷静に見られなかった。 その状態が大きな隙で無くて何だろうか。キバが付け込まないはずがない。 キバはそれを引き抜くと、ガロの身体を蹴り飛ばした。 「……ぐぅぁっ!!」 小さな嗚咽とともに、ガロはブレードの身体にぶつかる。 二人まとめて土の上を転がった。 「無様だな……冴島鋼牙。そのまま消してやる!!」 暗黒の剣を盾に構えたキバは、数メートルは離れた場所にいる二人に向けて、剣を振るった。その衝撃は風を乗せて、二人のいる地面まで到達する。黒く染まった衝撃。常人の剣技を見慣れているものならば、非現実的だと思うかもしれない。数メートル離れた相手に向けて放たれた一振りが、闇の色を帯びてそのまま目標に到達する事など。 しかし、これは魔戒の騎士が齎した現実であった。魔戒に足を踏み入れた彼らならば、今更こんな事では驚きもしない。 地に伏す二人に成す術などない。 まるで地雷でも爆発したかのように地が爆ぜると、その上にいた二人は大きく飛び上がる。 「ぐああああああっっ!!!」 「ぬあああああああっ!!!」 二人の戦士は、そのまま、後方に吹き飛ばされる。風か黒い爆炎か、この一撃が起こした衝撃に吹き飛ばされたのだ。 着地した場所は斜面になっており、そのまま二人は自動的にそれを転がり落ちる。何度か木の根や木の幹にぶつかり、小さな悲鳴をあげながらも、二人は自分が下降していくのを止められなかった。それらはストッパーとしては弱かったのだろう。ただ、二人を打撃するための障害物にしかならなかった。 「……しまったな。探すのが面倒になる」 長く急な斜面を眺めながら、キバ──いや、バラゴは呟いた。 思ったよりかはガロの圧倒も容易であった。しかし、可能な限り目を付けておくべき相手なのは確かだ。 前に戦った時は二人がかりで手も足も出なかったというのに、この間の戦闘では一対一で互角。今回は偶然にもテッカマンブレードがああして我を失っていたのが幸いだった。 「レイジングハート。周囲には誰もいない。喋っても構わないぞ」 『OK.』 「……あれが、冴島鋼牙だ。他のやつらは見ない相手だったが、あの男はよく覚えておくといい」 バラゴは、そう教えながらレイジングハートの血を拭う。 バラゴの言葉に、──『Fate……』──レイジングハートは、フェイト・テスタロッサの事を思い出さずにはいられなかった。 鋼牙──その男は、レイジングハートにとって、フェイトの仇の名前だったのだから。 △ 「……くっ……」 剣を杖に、鋼牙は起き上がった。 見上げると、数十メートル──いや、百メートルくらいはあるだろうか。 よく生きていられたものだと思うほどの長い斜面があった。 幸いにも、鋼牙には意識があった。流石に黄金騎士の鎧は解除されているものの、意識があり、全身の怪我も大事には至らない程度に抑えられている。 バラゴ。──暗黒騎士キバ。 やはり侮ってはならない相手である。何千体ものホラーを宿した暗黒の鎧を持つ騎士だ。無論、簡単に倒されるはずがない。 「……大丈夫か?」 鋼牙は、傍らに倒れ伏すブラスターテッカマンブレードに声をかけた。 その巨体は、鎧を纏った時の鋼牙からすればまだそんなに大きくは見えないが、人間としての鋼牙から見れば化け物である。 しかし、鋼牙はその姿を恐れない。彼は既に先ほどのような暴走はしないだろうし、鋼牙はブレードが攻撃体勢に入れば、すぐに回避運動に入る事ができる。 ともかく、ブレードは起き上がった。やはり、暴走はしない。 「ここは…………くそっ!!」 周囲を見渡し、テッカマンブレードは自分が斜面を落ちた事を理解する。 全身は傷だらけだったが、先ほどに比べると冷静であった。少なくとも、視覚や聴覚の情報を遮断してまで敵を攻撃するほどではない。いや、それは敵が前にいないからだろうか。 辛うじてタカヤの記憶を繋ぎとめていた京水が殺されたのは、やはりタカヤにとっても強い怒りを放たせる原因だった。 「……そうだ、奴は!? 奴はどこだ!!」 意識がはっきりとすればするほど、自分の中にこみ上げていた怒りも確かなものになってくる。まるで、竜巻のように、彼の中の怒りはその姿を増す。いや、現状では、そうして小さな感情を爆発させることだけが、彼の唯一無二の生き方だった。 暗黒騎士キバが一体どこにいるのか──その一点に、ブレードの興味が向かっていた。 ──そう、記憶を失った彼にとっては、人の死や人が殺される事は、新鮮な体験であり、新鮮な怒りでもあったのである。 そんな相手に対する恨みも、普段の何倍にも膨れ上がっていた。 それと同時に、その感覚を、心の奥底で何度も味わったような──そんな複雑な、心の震えが止まらない。 「今はまだ、奴を相手にする段階じゃない。まずは頭を冷やせ!」 鋼牙はブレードを恫喝する。変身さえ解かないブレード。タカヤにならないという事は、彼はまだ戦いへの未練がある証だ。 現状では、キバを相手にしたところでやられるだけだというのは容易にわかるはずだ。しかし、ブレードはそれを飲み込む事は出来なかった。 「そうもいくか!! 奴は……奴は京水を!! ……あんな奴を放っておくわけにはいかない!!」 「駄目だ。二人で力を合わせて戦わなければ勝ち目はない」 「ならば何故、お前は戦わない!!?」 目の前で変身を解いて立ちすくんでいる鋼牙に、ブレードは些細な怒りを沸かせた。 これが彼の戦闘時の形態でない事はブレードもよく知っている。 相羽タカヤがテッカマンブレードに変身できるように、彼もまた変身能力を有しているはずだ。 「……奴を倒すために焦りは禁物だ。命を捨てに行くようなものだぞ」 「……奴を倒すためならば……俺はそれでも構わない!」 ブレードの怒号とともに時間が止まる。 鋼牙も何も返す事ができないほどの迫力であった。まるでブレードの本心の全てをまとめ上げるような言葉だった。 そうして止まった時間を戻すように、ブレードは弱弱しい声で言った。 「……俺には時間がない。時間がないんだ……」 何のために戦うか──その記憶が抜け落ちてしまうのではないかという恐怖が、なぜかタカヤの心の奥底に在った。 このまま何度戦えるかもわからない。 ブレードの背中から、強力なエネルギーが放出される。 「待て!」 鋼牙の制止を振り払い、テッカマンブレードはこの斜面の上に向けて飛んで行った。 △ 「おや……? 用があるのは君ではなく、もう一人の方なんだがね」 テッカマンブレードが地に足をつけた時、そこにいたのは黒衣の美青年であった。 二十代にも見えるし、三十代と言われても合点がいく。四十代、五十代と言われてもまだ理解する事ができるし、十代や六十代まで行くとやや極端だが在り得るともいえる。 そんな正体の掴みにくい男だったが、しかしその胸の赤い宝石が確かにあの騎士と同じであった。 「…………京水の仇だ!!」 ブレードは、テックランサーを構えた。 バラゴは、胸にかけた二つのペンダントを掴み、空中で回転させる。鎧を召喚するためのペンダントによって、暗黒の鎧がバラゴを包む。 暗黒騎士キバとなった彼は、レイジングハートを胸に装着した。 装着される時は、いつもレイジングハートはキバの鎧の冷たさを感じる。しかし、レイジングハートはそれを気にする事はなかった。闇の鎧を、たったひとかけらだけでも照らす光として、レイジングハートは輝く。 物、として。 「……潰す!! 貴様を潰す……!!」 ブレードは、先ほどと全く変わらない。 まるでイノシシのように、怒りに心を奪われる。猪突猛進。まるで戦いをわかっていない。憎しみに心を奪われた戦士……そういうと、まるでかつての己のようだ。愚かだった頃の自分と寸分違わない。 だが、今は違う。バラゴは、彼のように深い怒りの感情に縛られる事はない。 戦闘における強さはバラゴが上だ。 「望むところだ」 駆け出したテッカマンブレードのテックランサーがキバを狙う。 黒炎剣はそれを弾き返す。黒炎剣は、そのままブレードの胸部に向けて、そのまま真横に振るわれる。手ごたえがある。これで、ブレードは数メートル後方に引き下がる……はずだった。 「うおおおおおおおっ!!」 実際は、ひるまずにテックランサーを両手で構えてキバの肩にそれを突き刺す。 キバの脳内が捉えていた未来とは、少し違った攻撃だ。 「……何!?」 痛みを恐れずに──いや、受けた様子さえなく、テッカマンブレードが攻撃を仕掛けた事に驚愕する。しかし、キバの身体もまたそれを痛みとは捉えなかった。 無論、キバにとっては意外だった。 よもや、再びキバが血を流す事になるとは。 鎧を貫き、バラゴの腕にもそれは突き刺さっていたが、決して痛みはなかった。鎧に食われた時点で、バラゴもまた人として成り立たない存在になっているのだ。この程度の痛みは痛みと認識する事がない。 ……まあ、端的に言えば、少し驚いただけだった。 むしろ、キバについて、この攻撃は好都合。 この時のブレードの姿は、こう呼ぶべきだろうか。──攻撃に満足して隙だらけになった、と。 「……フンッ!!」 黒炎剣はXを描くようにテッカマンブレードの身体を切り裂く。深々と、──それこそ、人ならば一撃で刺し貫き兼ねない力を込めたまま、その身体を斬ったのだ。 この時こそ、ブレードは遂に数メートル後退した。 「ぐっ……ぐぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 ブレードが、その痛みに慟哭する。実を言えば、これまでも痛みは消え去ってなどいないのだ。とにかく敵を滅する意志が、ブレードを突き動かしているに過ぎない。 要は、精神で痛みを殺し、立ち向かっていったのである。 しかし、この時のバラゴの太刀は、その意志さえも一瞬で打ち砕く業であった。 「消えろッ!!」 キバは、無慈悲なひと言とともに、もう一度、ブレードの胸を──その胸を抑える両腕の甲ごと、突き刺した。血は吹き出さない。彼の胸は、既に充分なほど血を吐き出したからだ。 ブレードの手にあったテックランサーは、ブレードの手の中から落ちる。 真っ二つ。 真ん中から、綺麗に分断される。元々ついている機能ではあるが、ブレードが意識的に分断したわけではない。テックランサーは、柔らかい土を突き刺した。ともかく、ブレードには、素手のほかに戦う術がなくなった。 追い詰められたブレードは、力を込めようとするも、剣を突き刺された勢いで数歩後退し、木を背にした。 一定のエネルギーを使い果たしたか、激しいダメージの影響か、ブラスター化が解除され、ブレードは元の姿に戻った。 ◇ (俺は勝てないのか……この怪物に……) タカヤは思う。 障害物を背にして、眼前には暗黒騎士キバ。 肉弾戦ではもはや勝ち目はない。この圧倒的な剣のセンスは、タカヤのような人間の秀才がいくら必死で戦ったとしても、倒すどころか、ダメージを与える事さえ難しい。 ブラスター化まで解除されてしまったのだ。 いや……。 (俺は、こんなに弱かったのか……?) 今までも、幾つもの戦いを超えて、ここまで来たような気がする。 具体的には思い出せない。 何か。 何かが、あったはずなのだ。この身体だけが、決してゴダートやシンヤとの格闘で養っただけではありないようなセンスを感じさせている。 確かに、力だけはタカヤにも覚えがないほど強くなっている。無我夢中で戦っている時も、体は勝手に、キバを倒す方法を模索しているのだ。それは、かつての彼自身のセンスや教養を超える範囲の力だ。 ──それは、きっとタカヤが忘れているだけの、スペーツナイツでの数多の戦いや、このバトル・ロワイアルでの戦いを、覚えている「身体」の行動だろう。 (何故だ……俺は、何故、こんなに強く、こんなに弱いんだ……!) そう思いながら、眼前でキバが剣を振りあげるのを見つめていた。 ◇ その時。 「全く。世話の焼ける奴だ」 藪の中から、もう一人の刺客が姿を現す。 冴島鋼牙、いや、黄金騎士ガロ。 ガロは、暗黒剣を抜き取るキバの真後ろに、黄金剣で飛びかかった。 「……とんだ、デンジャラスボゥイだな」 刃と刃が互いに傷つけあう音。 キバは、引き抜いた剣を、咄嗟に襲い掛かった黄金騎士の方に構え、盾として敵の攻撃を封じていた。背後からの気配を察したのである。 「全くの同意見だ、大河の倅……」 「初めて気があったな……だが」 二人の騎士は、互いの目を見て、会話を交わしながら、その手に力を込める。 同じ冴島大河のもとに生まれた魔戒騎士。その太刀筋は相似していた。だからこそ、互いの太刀は、この時ばかりは軽い力しか籠めていない事に気づいていた。 「残念な事だ。……お前は俺が斬る!」 剣を引き合い、ここからが本気の戦いだ。 今の一撃、鋼牙はバラゴが見抜くのを知っていたし、バラゴは鋼牙があまり力を込めて打ち込んで来ないだろうと予想していた。 「……確かにお前はかつてより強くなった。とはいえ、私には敵わない。私を斬れるか?」 「よせ。お前は、一度斬られた身だ。どうやら、お前は知らないようだがな」 暗黒騎士は、ガロのほうを見もせずに、振り向き、剣を構えた。その剣の切っ先は、テッカマンブレードの首元に向けられていた。動く事さえままならないブレードの、首元を狙った時、ガロの動きが止まった。 「仲間が大事か」 「……」 肯定も否定もしない。もう無駄話は要らない。これ以上、口を開く必要はない。真剣勝負だ。一瞬の気のゆるみが勝敗を分ける静寂の世界での戦いだ。 「……それでいい。この男はもう動く力も残っていないだろう。この男の息の根を止めるのは、貴様が倒れてからでも充分だ……。いくぞ」 まるで、ガロが応えるか確認しただけだったかのように、キバはブレードに対する興味を失い、剣の先をガロに向けた。 キバは、無言で、剣を真横に凪いだ。 ガロはそれを柄で弾き、跳ぶ。ガロが暗黒剣の上に立つ。 キバの腕は、ガロの重量を易々と持ち上げ、ガロを後方へ吹き飛ばす。 そこには、息も絶えかけたブレードがいる。このままでは、激突する。 「……くっ」 ガロは、腕を伸ばし、多少無理のある体勢で、ブレードが寄りかかる木の幹に剣を突き刺す。それを鉄棒代わりに、ガロは上方へ避け、ブレードとの激突を回避する。 △ 「……強いな……お前は」 不意に、真下から聞こえた声。ガロは、敵に集中しつつも、一瞬気を取られた。 テッカマンブレード、相羽タカヤ。木に肩を寄せる彼の声である。その言葉は、まるで鋼牙を羨んでいるように、あるいは、自分自身を嘲るように、虚しく響いた。 ブレードの外形からは表情が読み取れないが、頭を垂れた彼の姿からは、一縷の生気も感じられなかった。 あれだけの憎しみを持ちながら、あれだけキバを憎む心を強く持ちながら、何もできない自分自身が不甲斐ないと、タカヤは思っていたに違いない。 ガロは、いや、冴島鋼牙は思った。 (違う……。俺は決して強くはない……。俺だけが強いんじゃないんじゃない……) 果たして、歴史が「冴島鋼牙」から始まっていたならば、鋼牙は決して強くはなれなかった。 そう、鋼牙は確実な積み重ねと共に生き、先人たちの屍を超えて戦ってきたのだ。 鋼牙が憧れた偉大なる父、冴島大河。その意志は今もなお剣に眠る。 優しき母、冴島りん。その思いは今もなお鋼牙の栗色の髪に宿る。 守れなかった親友、ヤマブキ、クロ、アカネ、ムラサキ。その日々は今の彼の剣に、胸元の誓いに残る。 かつて黄金騎士の名を継いだ英霊たち。その戦いは鎧に刻まれている。 ザルバ、零、翼、阿門、邪美、カオル……。 今日まで描かれた物語が、鋼牙の背中を押し、鋼牙の強さとなる。 その記憶が、その思いが、鋼牙を強くしているのだ。 「記憶」 それが、今のタカヤに欠落している「力」なのだと、鋼牙もタカヤも知る由もない。 △ ガロが着地する。 ──キバは、そんなガロの眼前まで来ていた。 黒衣をなびかせ、ガロの瞳を突き刺そうと剣を立てる。 しかし、ガロはそれを己の剣で防いだ。 「……聞こえたぞ、黄金騎士。その男はお前を強いと言ったな」 どうやら、キバの耳に入っていたらしい。 強さ。──それは、キバが渇望して止まないものだ。かつて、両親を殺し、己の平和を奪った「ホラー」。それを倒すべく、バラゴが得ようとした「強さ」。そして、やがてバラゴは、その「強さ」こそが全てであり、魔戒騎士の使命など忘れるようになった。 だからこそ、彼は、この言葉だけには反応せざるを得なかったのだ。 「だが、違う」 ブレードの目線で鍔迫り合いをしながら、ガロとキバは互いの瞳を睨む。 「お前は本当の強さに足を踏み入れてはいない。……魔戒騎士の持つ制約を忘れてはいないだろう。その制約を破り、鎧に食われる事で、魔戒騎士はより強い力を得られる。その制約に縛られ、愚かに倒れていった魔戒騎士を私は何人も知っているぞ」 そう、魔戒騎士は99.9秒しかその鎧を纏う事はできない。 黄金騎士、銀牙騎士、白夜騎士、雷鳴騎士──あらゆる魔戒騎士に例外なく、この制約は、降りかかる。 だから、本来は鎧の装着は、人間界で使うには本当に最後の手段、言うならばトドメなのである。魔界ならばともかく、この場では鋼牙はその力を使えない。 「鎧装着のタイムリミットはもう間もなくだ。この僕を倒したいならば、このまま放っておくわけにもいくまい……」 バラゴは、鎧の中でニヤリと笑っただろう。 鋼牙が鎧に食われたとするならば、それはそれで面白い。──いや、むしろ、それを期待しているのだ。 鋼牙や零──純然たる魔戒騎士の彼らが、自分と同じ闇に堕ちるのである。その方が喰い甲斐があるというものかもしれない。 かつて、バラゴがこのままバトル・ロワイアルに連れてこられる事がなかった世界では、鋼牙が闇に堕ちようとした。その時、バラゴも戸惑いつつ、ニヤリと笑った事があった。それと同じだ。 彼は、どこかで自分と同じ場所に他の魔戒騎士を引きずり下ろそうと……そう思っているのではないだろうか。それが遊戯を求め続けるからか、あるいは人間の心が寂しがっているからかは、誰にもわからないが。 「バラゴ……。一つ訊きたい。お前は、俺の父から、一体何を学んだ……? 父は……冴島大河は、決してそれを強さとは教えなかったはずだ」 限りなく、タイムリミットに近づいている中でも、ガロはそれを聞かずにはいられなかった。 鋼牙は、バラゴの心に深く踏み込んだ事はない。 しかし、父の弟子が。父が師事したはずのこの男が、こんな事を言ったこの時──鋼牙どうしようもなく、むず痒い気持ちになったのである。 「考えろ。黄金騎士・冴島大河は、誰によって敗れたか。……鎧の力を解放した魔戒騎士ではないか?」 その魔戒騎士とは、バラゴ自身だ。 しかし、バラゴは敢えて曖昧な言い方をした。胸元のレイジングハートに、それを知られると不都合な部分が出てくる。 「……守りし者の存在こそが、何よりも、俺達、魔戒騎士の力……俺の父はそう教えた。いや、俺達、黄金騎士に代々伝わってきた教えだ。お前に、黄金騎士を……」 だが、この言葉を聞いた時、ほんの一時ばかり、レイジングハートは思った。 もしかすると、この冴島鋼牙という男は、悪人ではないのかもしれない。 自分の中に在る善悪構造こそが間違っていて、冴島鋼牙は間違って等いないのかもしれないと。 否── ガロは、剣を構えたまま、数歩前に出た。 隙を作った腹部を狙うかと思いきや、彼が狙ったのはその胸。 「冴島大河の名を」 しかし、キバは、咄嗟にその胸を、左腕で守り、右手の剣でガロの脇腹を狙った。 この状況で、特に鎧の装甲が硬い胸部を守る必要があるだろうか。 隙が出たところで、今のキバがそうしているように、腹を狙われるに違いない。 ガロは、脇腹の一撃を受けながらも、脚で地面を蹴りあげた。地面は深く盛り上がり、一本の刀が、地中から飛び上がる。 「……口にする資格は、無い!」 鋼牙にとって、二本目の剣。いや、鋼牙たちにとって、もう一本の剣。 半分に砕かれたテックランサーが、真下から、飛魚のようにキバを襲った。 キバの左手は塞がっている。右手はガロの鎧を断つ剣の手が止まらない。 『Karune!』 テックランサーの片割れが狙ったのは、バラゴの胸元に輝く真っ赤な宝玉。 レイジングハートは叫んだ。 バラゴの名前を呼んだ。 キバが、この宝玉を庇うような仕草を見せた事にガロが、気づかぬはずはなかった。 だからこそ、彼はそれがキバにとって何らかの弱点だと思い、今、その宝玉を狙ったのである。 そして──。 レイジングハートが、魔導具のように意思を持つ宝玉である事に、ガロは、気づいているはずもない。 だからこそ、冴島鋼牙は、魔導具でも何でもない、新たな力の源なのだろうと察して、何の躊躇もなく、レイジングハートを狙った。 「くっ……!」 一方の、キバはレイジングハートが狙われた事を知り、戦慄する。 間に合うか、間に合わぬか。バラゴは、咄嗟に身体を逸らし、テックランサーの軌道がレイジングハートに辿り着かないようにした。 牙狼剣を左手で弾き、 右手の黒炎剣を引いて、 レイジングハートの元へと到達するテックランサーを回避……する。 辛うじて、レイジングハートの真横の鎧に火花を散らし、テックランサーの一撃は殆ど不発に終わる。宙を舞うテックランサーの断片。危なかったが、どうやらレイジングハートを傷つける事はなかったようだ。 (なるほど……) バラゴは、それを成功させた瞬間、鋼牙の意図を察した。 彼は、このレイジングハートを暗黒騎士の弱点か何かと思っているのだ。 そういえば、以前の戦闘ではレイジングハートを装着していなかった。 つまり、彼にとって、胸に赤い宝玉を付けた暗黒騎士との戦いは初めての事なのだ。 キバがレイジングハートを庇ったのは、何て事のない理由だ。 まだ利用価値があるから、破壊させるのも忍びない……それだけである。 だが、キバがレイジングハートに拘る理由を、鋼牙やタカヤが知るはずもないし、知る術はない。レイジングハートは、今「モノ」なのだから。 ……どちらにせよ、捨てようと思えば、バラゴはレイジングハートを捨てて戦える。 (意外な使い方だな。……ただ庇うだけで、相手が勝手に勘違いしてくれるとは) あからさまに弱点のように見せかけておきながら、実は全く違う。 レイジングハートを破壊するのに躍起になっているようだが、彼らがそれを破壊したところで、キバの力は変わらず、キバの心も痛まない。 なるほど、意外と単純な相手である。 △ 眠気、だろうか。 ブラスターテッカマンブレードは、この全身の疲れをそう思った。 これまでの戦いの意識がもう少しはっきりしていれば、それは眠気などではない事はすぐにわかっただろう。 だんだんと、己の身体が朽ちていくような感じがした。 (俺は、死ぬのか……) 今、タカヤがテッカマンの姿をしているのは、戦うためではない。 戦うためではなく、己の身を守るためだ。眼前で繰り広げる二人の騎士の前に、そのとばっちりがいつ回ってきてもいいように、ここで置物のように眺める事だけだ。 ダメージも大きい。 しかし、はっきりと打ち負け、憎しみの声さえ届かないこのもどかしさが、だんだんとタカヤの意識の大半を占めていた。 (俺はこの男に運命を委ねる。……全ては、この男の勝敗にかけよう) 黄金騎士を見て、タカヤはそう思い始めていた。 暗黒騎士に葬られるか、それともこれから生き延びるかは、そこに賭けるしかないのだろうか。 (俺は……) ミユキは死んだ。京水も死んだ。 ……俺は、死んでもいいのではないだろうか。 遠き日に消えた家族との思い出。そこに帰ると思えば、もう怖い事など何もない。 (俺は……) しかし。 その思い出を、何かが邪魔する。 決して、家族だけじゃない。相羽シンヤが、相羽ミユキが、相羽ケンゴが……いる家庭、だけではない。 ラダムによって侵略を受けている故郷や、オービタルリング。 タカヤは、そこで……ノアルや、アキと出会った。 彼らの顔を、タカヤは思い出す。 (そうだ……俺は、こんな所で死ぬわけにはいかない……) ブレードは、殆ど動かぬ脚に力を込めた。 立ち上がれ。 もっと、強く。こんなふらふらの足でどうなる。 (シンヤとの決着もまだだ……! 俺は、死ぬわけにはいかないんだ……!!) ブレードの活動限界は残り僅かだ。既に危険信号が鳴り響いている。 ただ、それでも、まだ戦う事はできる。 △ 「うぐあああああああああああああああっ!!」 ガロとキバがその異様な雰囲気に気づかないはずがなかった。 ブレードがあげた雄叫び。 「そうだ……。これだ……これが、俺の本当の力……忘れるはずもない……俺の戦い方……。全てのラダムを倒すために……俺は……俺は死ねない!」 死ねない。 それが、相羽タカヤの心の引き金。 たとえ、数多の死闘で全身に、あるいは心に傷を負っていたとしても、タカヤは、生きている限り、生き抜くための戦いをしなければならない。 ささやかな幸せを奪ったラダムを滅するために、戦う。 人類の、今の仲間たちの世界を守るために、戦う。 「クラッシュイントルード!」 ブレードの背中からエネルギーが放出され、キバとの距離はゼロに縮まる。 咄嗟の出来事に、キバは驚愕した。ガロもまた、ブレードにこれだけのエネルギーが残っていた事には驚愕せざるを得ない。 敵に向かって突撃するブレード。 「姑息な……!」 キバの身体に激しい衝撃。キバの全身は、ブレードと大木の狭間に叩きつけられる。 ここでブレードが足掻いたところで、いずれは斬られるというのに。 キバは、余計な邪魔が入った事に苛立ちを感じつつも、ブレードの腹部にはしっかりと黒炎剣を突き立てていた。 今度は、貫通している。 「ぐおっ……!」 ブレードの身体が、地面に落ちる。 だが、ブレードは、その一撃に苦汁を舐めながら、しかし真っ直ぐに敵を見据えていた。 「……だが、死なん……!」 ブレードの肩が開き、エネルギーが充填されていく。 大木との間に挟まれたキバは、思った以上に強い衝撃を与えられていたらしく、眼前の攻撃からの回避の術がない。 「ボルテッカァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」 キバの真後ろの大木が、次の瞬間には消滅していた。 △ 目の前は、煙で見えない。あの大木と暗黒騎士の鎧がほとんどエネルギーを吸収してしまったのか、かつてほどの被害は感じられなかった。 ともかく。 ブレードは、痛む腹部の黒炎剣を引き抜き、遠くに捨てた。 「ぐあっ……!」 先ほどのテックランサーのように、黒炎剣は地面に突き刺さった。 引き抜く瞬間は、流石に相当の苦痛が伴う。 血が噴き出る。身体はボロボロだ。ブレードは、肩で息をしながら、テックセットを解除する。解除しなければ、もう間もなくラダムに支配されてしまうのだ。 「……はぁ、はぁ……。やったか……」 煙の中からは、キバの姿は見えない。 見えないが。 「……まだだ。まだ奴は生きてる。……だがよくやった。後は俺がやる……。下がっていろ」 ガロが、いや、鎧を解除した鋼牙が、そう言った。 彼は、傍らの黒炎剣を見やる。あれが黒炎剣である限り、敵は鎧を解除していない。 鎧を解除していないという事は、中のバラゴの生死にかかわらず、暗黒騎士は襲い掛かってくるという事だ。 鋼牙は、魔戒剣を構えた。 「聞け、バラゴ。本当に強いのは、守るべき者の顔が見えている者だ。それが魔戒騎士“守りし者”の条件だ」 鋼牙は、父ならばこう言うだろうな、と思いながら、バラゴに……真の強さを伝えた。 煙が止む。 鋼牙の目の前には、両腕を胸に前に翳し、今なお、“弱点”を隠し続ける暗黒騎士の姿があった。 △ バラゴは、ただ、自分がこんな事をした事に驚いていた。 確かに、利用できる存在とはいえ、何かを庇いながら戦うとは、少しこれまでとは違った趣向の戦闘方法だったと思う。 その策に溺れすぎたか、と少しばかり考えた。 今後、生存するために利用するはずだった存在。それを守るために、自分が死んでしまっては本末転倒ではないか。 「……レイジングハート」 バラゴには、魔導具がない。その代わりに、バラゴはこのレイジングハートを選び、首にかけていたのかもしれない。それは、かつて純粋に黄金騎士を目指した男の寂しさから、だろうか──。 本当は、あの時。 自分の過去を、レイジングハートに伝えた時。 ──僕は、レイジングハートを利用するためなんかではなく、 ──この寂しさを埋めたくて、レイジングハートにそれを教えたんじゃないか? 不意に、バラゴの脳裏に浮かんだ事実。 あるいは、御月カオルに対しても、そうだったのかもしれない。 旅の途中で出会ったアキラに対しても、そうだったのかもしれない。 今となっては、バラゴには、わからない。 何故、あれほど力を求めたのか。 何故、ホラーに復讐するはずが、ホラーに協力していたのか。 何故、強さのために全てを犠牲にする覚悟を持ちながら、アキラを弟子にしたのか。 「聞け、バラゴ。本当に強いのは、守るべき者の顔が見えている者だ。それが魔戒騎士“守りし者”の条件だ」 暗黒騎士の目の前に、煙が漂う。 どこかで見た白衣の魔導着がはためくのが見えた。 かつても見た。師匠の姿だ。 大河。冴島大河だ。彼の言葉だ。 いや── 「おまえは……」 よく見れば、それは大河のおもかげを残す、息子であった。 「冴島鋼牙か……」 キバは、鋼牙を睨みつけながら、ふたたびその名を呼んだ。 鋼牙。師匠の息子だが、彼は決してバラゴにこんな事を言っていい年ではない。 バラゴが知っていた鋼牙は、まだ十歳前後の童である。 そんな男に、まるで師のような事を言われるいわれはない。 いや、そんな男が、かつての師のように見えていいはずがない。 それに……彼の言葉もまた、バラゴを激昂させた。 「……父の顔も、母の顔もとうに忘れたこの僕には、強さが無いと言うか!」 それでは、まるでこのバラゴの人生は滑稽な一生だったようではないか。 バラゴが思う強さは間違っていた。それに踊らされて、長い日々を無駄に過ごした。 それがバラゴだったというのなら、バラゴの人生とは何だったのだろう。 「まあいいさ。それじゃあ、最後の勝負だ……鎧を装着しろ、黄金騎士。その代わり、僕に剣を渡せ。大河の倅が説く強さが本物か否か、試してみようではないか」 卑怯な暗黒騎士の、妙に堂々とした提案に、鋼牙は顔を顰めた。 △ 鋼牙は、みたび鎧を纏い、言う通り、黒炎剣を投げた。 キバが、それを空中でキャッチした時、ガロの初動──。 ガロは、すぐさまキバの元に走り出した。 キバは、その動きを予測し、剣を、ガロの前に立てた。 剣は、胸を狙うに違いない。 奴は、胸のレイジングハートが弱点だと、そう信じている。 だから、奴は真っ先に此処を狙うはずだ。 しかし── 「がっ……!?」 ──勝負は、一瞬だった。 ガロは、キバの予想に反して、その腹を斬った。赤い光が傷口を煌めかせる。 あまりにも手薄であったその腹部を、ガロは斬り抜けた。 ガロは確かに先ほどまで、胸部が弱点だと、そう勘違いしていたかもしれない。 しかし、それを守るために他が手薄になれば、そこが隙になるのは当然の話である。 ましてや、隙を作った場所は、本来守らなければならない自分自身の体だ。 ブレードによるボルテッカの一撃も、ガロによる一太刀も、どちらもトドメと呼ぶべきものだったのだろう。 疲弊したキバの身体を斬った一撃は、闇に堕ちる事もなく、堂々と力を積み上げていった騎士たちのものだった。 かつて憧れた黄金騎士の姿は、バラゴにはもう見えなかった。 △ (……なるほど) バラゴは、空を見上げる。 間もなく夕暮れだ。空が美しい。 かつて、バラゴは、大河の元で熱心に魔戒騎士となるための修行を受けていた。 その時にも、空を見ていた。……辛い修行の最中、二人で休憩し、笑いあった。 そうだ、懐かしい。 そういえば、アキラとは、あんな風に笑いあう事はなかったな。 (遅かったか……何もかも……) 鋼牙は、去っていく。今更何を告げても仕方がない。 まあいい。全力で戦って負けたのだ。 つまり、バラゴが弱かっただけの事だ。 (どうやら、僕が求めた強さは、間違っていたらしいな……) バラゴは、それを認めた。いや、認められる時を、きっと待っていたのだ。 本来のバラゴの生き方を邪魔した悪。殆ど、それに乗っ取られていたのだ。そして、誰かに助けを求めていた。 この殺し合いの中でも何人かの戦士は、彼と同じであった。 侍になれなかった者。ウルトラマンになれなかった者。仮面ライダーになれなかった者。正義のテッカマンになれなかった者。プリキュアになれなかった者。 彼は、魔戒騎士になれなかった者だ。 (……もしかすると、僕の魔戒騎士の最後の仕事……。それは、……正しき心を持つ者に全力で挑み……そして、負ける事で、僕自身の求めた強さのまちがいを証明する事……だったのかもしれない) どちらにせよ、鋼牙は魔戒騎士として、暗黒に落ちた魔戒騎士バラゴを葬った。今となっては、それだけでいい。 悪は葬られた。その生き方が、いかに間違った者なのかを、この身の亡びを持って証明された。バラゴとて、先ほどの戦いで手を抜いてはいないのである。 もはや、すがすがしいくらいだ。 この時、殆どバラゴが正気を取り戻していた事など、鋼牙は知るはずもない。 それでいい。 それで一向に構わないと、バラゴは思う。 どれほどの命を弄び、どれほどの命を子の手で消していったか。もはや、数える事さえもできないくらいだ。 何人、何十人、何百人、何千人。名前も知らない。その家族の事も知らない。 バラゴの行いによって死んだ者たちの数はわからない。 速水克彦、園咲冴子、泉京水、冴島大河、静香、道寺、阿門、風雲騎士。 冴島鋼牙、涼邑零。 そのたび、バラゴはとことん無慈悲だった。 誰の死も、重んじた事はない。 (父よ、母よ、師匠よ……) そう、この時なら、自分の死さえも。 バラゴ。魔戒騎士の歴史上、最も恥ずべき罪人として名前を残すか。 『Karune!』 胸元でレイジングハートは、バラゴの名前を呼ぶ。 ああ、そうか。こいつは生きているんだった……。 「レイジングハート……」 せめて、寄り添ったこの宝玉に、今生の別れを。 最後の力を振り絞って、その名を呼んだ。 【バラゴ@牙狼 死亡】 【残り 24人】 △ 「奴は斬ったか……」 タカヤは、眼前の男に言った。 仰向けで、腹を抑え、タカヤは満身創痍の身体を休めていた。 タカヤは、二人の決着を見届ける事はできなかった。元より、初対面の男が、いかに暗黒騎士と決着をつけるかなど興味はなかった。 膝を立て、タカヤの顔を見下ろす鋼牙。肯定の意を表すように、彼は首を縦に振った。 「そうか……。俺の手で決着をつけてやりたかったが」 タカヤは、鋼牙とバラゴの詳しい因縁など知らない。鋼牙の父が共通の知り合いらしい事はわかったが、それ以外は全く知らないままだった。 「……奴を倒せたのは、あらゆる人の協力があってこそだ。お前の一撃がなければ、奴を倒す事はできなかった……相羽、タカヤ」 「……相羽タカヤ。そうか。なんだか、その名前で呼ばれる事には、少し違和感があったんだが」 鋼牙の顔は逆光で見えない。彼がどんな表情をしているのかはわからない。 「俺は、Dボゥイだ。そう呼んでくれ」 「……Dボゥイ」 「お前の名前は……?」 確か、名前をちゃんと聞いてはいなかった。 当人の口から自己紹介として、ちゃんと聞いた事はない。 「冴島鋼牙、またの名を……黄金騎士ガロだ」 鋼牙は、表情を変える事もなく、タカヤに己の名を告げる。 「黄金騎士か、……それなら、俺は宇宙の騎士、テッカマンブレードだ」 まるで対抗意識はないが、己のもう一つの名前を名乗った。 彼らがこうして、その名に誇りを持って名乗る事が出来るのは、ほんの偶然に支えられての事だろう。 正義と悪は表裏一体。 バラゴのように、かつて善であっても闇に堕ちた者は悪。しかし、鋼牙も同じように力を欲し、その道を選んだことがある。 シンヤのように、ラダムに洗脳された者は悪。しかし、助けられたのがシンヤならば、タカヤとシンヤの立場は逆だっただろう。 バラゴが魔戒騎士として鋼牙を斬る時があったかもしれないし、シンヤが人類の味方としてタカヤを葬る時があったかもしれない。 つくづく、因果な人生だ。 敵を葬った時も、決して後味は良い物にはならない。まるで、自分を殺したようで。 「鋼牙。もし、シンヤに出会ったら……俺の弟に出会ったら、お前の手で倒してくれ……」 バラゴは、あの時、タカヤの腹部に深々と剣を刺した。全身を負傷し、全身で血も滴っていたタカヤには限界が来ていたのである。タカヤの全身に向けて、血だまりが広がっていく。 少なくとも、このままでは生きながらえても、このままシンヤと決着をつける事などできないはずだ。 他人に任せる事になるのは癪だが、この際、それしか術はない。 「……いや。それはできない」 「何故だ……」 「相羽シンヤは、もう死んだ。もう放送で名前が呼ばれた……」 道理で。 考えてみれば、つぼみの態度はおかしかった。シンヤの名前を聞いた途端、まるで何か心当たりがあるかのように……。 「そうか……。そうだったのか……。……クソッ」 タカヤは起き上がろうとする。起き上がろうとしても、体が動かなかった。 まさか、既に自分がシンヤと決着をつけたなどとは、タカヤも思うまい。 それに、その決着がついた事を知る者は、もう誰もこの世に残っていなかった。 「休め。テッカマンブレード。お前はよくやった」 決して、死を薦めるわけではないが、鋼牙は満身創痍のその男を、これ以上無理して戦わせたくはなかった。 勿論、生きられるのならば生きた方がいい。たとえどんな生きざまでも、死を薦める事などない。 忘却や死を、苦しみから逃れる手段に使ってはならない。 しかし、彼は── 「死ねない……俺は……」 ──彼らだけは、唯一、家族がいる家に、死という形で帰る事が、許されるのかもしれない。 『おかえり……兄さん』 【相羽タカヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】 【残り 23人】 【1日目/午後】 【D―8/森の中】 【冴島鋼牙@牙狼─GARO─】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中) [装備]:魔戒剣、魔導火のライター [道具]:支給品一式×2(食料一食分消費)、ランダム支給品1~3、村雨のランダム支給品0~1個 [思考] 基本:護りし者としての使命を果たす 1:みんなの所に戻る 2:首輪とホラーに対し、疑問を抱く。 3:加頭を倒し、殺し合いを終わらせ、生還する 4:良牙、一条、つぼみとはまたいずれ会いたい 5:未確認生命体であろうと人間として守る [備考] ※参戦時期は最終回後(SP、劇場版などを経験しているかは不明)。 ※魔導輪ザルバは没収されています。他の参加者の支給品になっているか、加頭が所持していると思われます。 ※ズ・ゴオマ・グとゴ・ガドル・バの人間態と怪人態の外見を知りました。 ※殺し合いの参加者は異世界から集められていると考えています。 ※この殺し合いは、何らかの目的がある『儀式』の様なものだと推測しています。 ※首輪には、参加者を弱体化させる制限をかける仕組みがあると知りました。 また、首輪にはモラックスか或いはそれに類似したホラーが憑依しているのではないかと考えています ※零の参戦時期を知りました。 ※主催陣営人物の所属組織が財団XとBADAN、砂漠の使徒であることを知りました。 ※第二回放送のなぞなぞの答えを全て知りました。 ※つぼみ、一条、良牙と125話までの情報を交換し合いました。 【特記事項】 ※今のところ、タカヤの遺体は同エリアに放置されています。タカヤが所持していたテッククリスタルも同じくタカヤの死体と共にあると思われます。 △ 『Karune, ……』 レイジングハートは、また大事な人を喪った。 バラゴ。 その名前を呼んでも、もう返事はない。 いま、確かにレイジングハートは見た。 冴島鋼牙が、バラゴを斬り、命を奪った瞬間を。 バラゴに声もかけず、鋼牙は素知らぬ顔で帰っていった。 『Kouga, I will never forgive you.』 誰もいなくなったこの場所で、レイジングハートは再びそう呟いた。 私は鋼牙を許さない。 『Kouga, I will never forgive you.』 しかし、その声を、聴く者は……いない。 虚しく、何もない森の中に、その声は響く。 レイジングハートは一切の悪事を行っていない。 言うなれば、ただの被害者だ。 レイジングハートは、既にこの世に存在しないバラゴに──今もなお利用され続ける。 もはや人を利用する気も一切ないであろうバラゴの口車に乗せられ、バラゴによって余計な思想を持ったまま。 このまま夕闇が空を覆い、空の色が変わるまで。 レイジングハートは、また思い出したように、何度でも、より強く……復讐を誓うように、歌うように……。 『Kouga, I will never forgive you.』 その言葉を、繰り返すのだった……。 【特記事項】 ※バラゴの遺体、ペンダント、魔戒剣、ボーチャードピストル(0/8)、レイジングハート・エクセリオン、顔を変容させる秘薬はD-8エリアに放置されています。 ※ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガのほか、次の支給品がD-7エリアのどこかに放置されています。 支給品一式×6、バラゴのランダム支給品0~2、冴子のランダム支給品1~3、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア!、呪泉郷の水(種類、数は不明。本人は確認済み。女溺泉あり)@らんま1/2、呪泉郷顧客名簿、呪泉郷地図、双眼鏡@現実、ランダム支給品0~2(シャンプー0~1、ゴオマ0~1)、水とお湯の入ったポット1つずつ、バグンダダ@仮面ライダークウガ、マッハキャリバー(破損済)@魔法少女リリカルなのは 時系列順で読む Back 確認Next 仮面劇のヒーローを告訴しろ 投下順で読む Back 暁の決意!決着は俺がつける!!Next 哀しみの泣き声、ふしぎな宝石を見つけました!! Back 終わらない戦い。その名は仮面舞踏会(マスカレード) 冴島鋼牙 Next 騎士の物語 Back 終わらない戦い。その名は仮面舞踏会(マスカレード) 相羽タカヤ GAME OVER Back 終わらない戦い。その名は仮面舞踏会(マスカレード) バラゴ GAME OVER